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お客さんと共感したい 横須賀民商 笹本 琢己さん
笹本琢己さん(28才)は、日中は父親が経営するカフェレストラン「コルセール」で調理を担当。そこでの経験を活かし、すぐそばの横須賀駅前に、日本製クラフトビール専門店「BAR 2TAPS」を昨年の春にオープンしました。
独立して自分のお店を持つのが念願だった笹本さん。自らも大好きな日本製のクラフトビールを味わってもらいたいとお店のテーマにしました。クラフトビールとはビールの地酒の意味で、その場所でその時々の味が楽しめるもの。ビール職人が丹精込めてつくるので1つひとつが芸術品と言われています。開店から半年が経ち、常連さんも10人ほど定着し一定の売り上げが出るようになりました。
笹本さんは「自分が選んだビールを『マスターが注ぐビールはうまい。他ではビールが飲めなくなっちゃう』と言ってくれることが喜び」と笑います。値段はなるべく抑え、お客さんにたくさん味わってほしいとも。この地域でほかの店では飲めないビールを提供していることが強みです。
「コルセール」の閉店後なので開店時間が遅くなり、お客さんを逃していることが悩みですが、品質管理の徹底、新商品を口コミ、SNSで伝えるなど努力しています。ビール大好き女子向けに「ビ女子割」などのイベントもおこなっています。お近くにお越しの際はぜひお寄りください。 -
「三方よし!」老子の哲学指針に 川崎中央民商 西馬場 学さん
西馬場学さん(51才)は型枠大工。施工図作成、材料段取り、測量、加工、組立と、高度な技能が要求されます。ビル建設だけでなく、橋、トンネル、地下鉄などコンクリートを使う工事はすべて対象となります。枠を組み立て、中にまだ柔らかいコンクリートを流し込む、その枠をつくる職人です。屋外工事は多く高所作業もあり、きつい仕事です。「30代の頃のように自分で資材をもって請け負いたい」と笑顔で語ります。
「今年は会員400人の回復と若い役員体制をつくりあげたい」と意気込みを語る西馬場さんは、川崎中央民商の会長を務めています。
「ある人物のインタビューで最高のリーダー(会長)像が語られていました。『リーダーという言葉において老子がいい言葉を残している。リーダーと言って思い浮かべるのは派手な公約を掲げる政治家だろう。しかし、最高のリーダーとは存在感がまるでない人。気配り上手、誉め上手、威圧型などリーダーのタイプも様々だが、最高のリーダーとは人々に自分から行動をしたと思わせる人物である』今まで自分の思う会長像とは180度違う言葉でした。『違う』と言う方もいると思いますが、自分がどこまでこの会長像に近づけるか。また一年間、みなさんと行動し考えていきます」と眼を輝かせます。
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生涯現役で働きたい Aさん
Aさん(機械加工)は生産ラインや組立てシステムで部品の自動供給に使われている、振動によって部品を一定の姿勢に整え、整列させて次の工程へ送り出すパーツフィーダという装置のボウル部分の製造・加工に45年以上携わっています。
お茶碗ほどから人が入れるものまで大きさも形状も多種多様なボウル。「どうすれば効率よく一定方向にその部品を供給できるか」を考え加工するため、設計図もなく、すべて経験と想像で加工します。「苦心してもうまく整列しなければスクラップ」とリスクも大きく、後継者育成も難しい仕事です。「アイデアが浮かばず、何度も工場に寝泊まりして、妻に『母子家庭だ』と責められたこともある。食事中も風呂でも、いつも新しいアイデアを練っている。こんな面倒な仕事はないかもしれない。だからこそやりがいがある」と力を込めます。作った装置が動いているのをみると「手塩にかけた我が子に再会したよう」と笑顔。日本のものづくりを支える"職人"Aさん、「生涯現役で働きたい」と意欲満々です。
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納税者の権利を守ろう! 必ず無罪を勝ちとろう!
「倉敷民商弾圧事件 無罪を勝ち取る神奈川の会」発足総会12月9日、かながわ県民センターで「倉敷民商弾圧事件・無罪を勝ちとる神奈川の会」結成総会がおこなわれ、8団体138人の参加で結成しました。
呼びかけ人を代表して神奈川県商工団体連合会(神商連)の鎌田保会長があいさつに立ち、「税理士法を使って納税者の自主的な税金相談と申告することを違法とし、申告納税制度の形骸化をねらっている。3人の事務局員の無罪を勝ちとることは納税者の権利を守るたたかいと結びついている。神奈川で会を立ちあげ、無罪を勝ちとろう」と呼びかけました。次に総会までの経過を国民救援会の田戸俊秀事務局長が報告し、この事件の弁護団の一員である鶴見祐策弁護士が「倉敷民商弾圧事件の本質とこれからのたたかい」と題して、講演しました。鶴見弁護士は「判決でも申告書は正しいとある一方で、刑を科すのは矛盾している。青色申告会の職員の申告補助は認めて、民商事務局員は違法と言うのは弾圧そのもの」と事件を告発しました。裁判を闘う倉敷民商事務局長の小原淳さんはあいさつの中で、「取り調べの時にさんざん『これは弾圧ではない』と聞かされた。これは弾圧と言われるのを気にしている証拠。当局は民商弱体化を狙っているから、組織を拡大して、弾圧を吹き飛ばそう」と訴えました。
次に神商連事務局長の三浦謙一さんが「会則」(案)、行動提起、役員の提案を行い、討論をおこないました。 -
討論では「福祉や介護の現場へも弾圧の攻撃がおこっている。国民のくらしを守る為、ともに連帯してはね返していこう」(神奈川県民主医療機関連合会事務局長 松崎幹雄さん)、「憲法をないがしろにする安倍政権は許せない。全力で運動を進めていく」(神奈川県建設労働組合連合会会長 白田宏記さん)、「税理士が税務署の下請け化になっていることを残念に思う。納税者の権利を守る為にがんばっている税理士もいるので、一緒にがんばりたい」(角谷啓一税理士)、「かつて民商は弾圧に対し、組織拡大で跳ね返した。民商魂をもう一度。がんばりましょう」(増本一彦弁護士)など、10人の方から激励や決意の発言がありました。
拍手で提案が承認され、会の発足を確認しました。
閉会のあいさつで森卓爾弁護士は「治安と徴税が権力を維持する2大機構。ここに対するたたかいは困難なだけに会を大きくして、弾圧を打ち破ろう」と訴えました。総会では33団体、96人の個人の加入で発足し、募金も69人から10万円を超える額が寄せられました。
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倉敷民商弾圧事件とは・・・
倉敷民商弾圧事件とは民商会員(当時)のI建設の脱税事件(法人税法違反)を口実に、相談にのっていた女性事務局員を脱税の「ほう助犯」に仕立て上げた上、同民商の事務局長、事務局次長と女性事務局員が税理士法違反で逮捕・起訴された事件です。裁判所は「申告書は正しい」と認定しましたが、「税理士以外と税金相談をすることは違法」と有罪にしました。
消費税増税や社会保障の切り捨てに対決する運動が広がることを恐れて、運動が委縮することを狙った弾圧事件です。 -
結成総会で寄せられたコメント
○お話を聴いて怒りに震えています。身体に気をつけて、がんばり過ぎずにがんばってください。
○50年前の荒川弾圧事件。中学時代に見ました。最後まで一緒にがんばりましょう。
○小原さん、禰屋さん、須増さんがんばってください。私も会員拡大でがんばります。
○会員の悩みや苦しみを共にする事務局の仕事はたいへんだけど人間的な魅力あるものだと思います。事務局員として、私も共に闘います。
○最高裁での闘いは憲法解釈になると思います。税理士法のどこが憲法違反なのか、税理士も理解できるよう、論破してください。がんばりましょう。
○無罪を勝ちとるまで、共にがんばろう。
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ふいごとそろばん 若林 重利さん 鎌倉民商
私の知人が「私は一財産を残した」と話していたことが今も印象に残っている
▼彼の商売の出発は四畳半一間から。それはそれは小さな整骨院(当時はほねつぎと表現していた)だった。そのころの私は小学生で、すばしこく機動力もありケガもした。よく彼のところに通院したものだった。中学卒業後は通院することもなく時が過ぎた。いつの頃か彼は近くに土地を買い、現在は4階建ての自社ビルで息子さんが事業を継いで彼自身は何年か前に亡くなっている
▼自社ビルに移転してまもなく、久々に診察を受けた時、彼が「若林さん、私は一財産を残したよ」と言ったことがある。「自慢話か、大した奴じゃないな」と思ったが、一財産の意味が違っていた。「人という財産を残した」というのだ。「大勢の人に出会い、育てられ、助けられて今がある。感謝している」というのである
▼「人づくり」。民商の活動にも共通するところがある。「人を大事にする」という彼の言葉を教訓に人づくり、組織づくりに励んでいきたい。今年もよろしくお願いします。 -
商売・人生を語る「民商で商売を元気に!」
厚木民商 「(有)県央清掃営繕工社」 小川 紀佳さん
住所:海老名市門沢橋6−17−10 電話:046−238−4953明けましておめでとうございます。私は厚木民商の共済会理事長です。私は海老名で親の食料品店を継ぎ、その後、牛乳店を20年営みました。その時、市内同業者25軒の半数を民商に誘い、全国で3番目の牛乳協同組合を創りました。生活協同組合と提携して、年商10億円近く売り上げたこともありました。しかし、時流には勝てず、牛乳店を廃業して、現在は工場や家庭の配管の清掃を仕事にしています。
私は昭和46年、厚木民商から独立した海老名民商の初代会長となり、全国各地で開催される会議に参加するようになりました。私は牛乳屋時代に重税反対行動のポスターのモデルになりましたが、会議に行くと知らない人から良く声をかけられました。
私ぐらい民商を商売に利用させてもらった人はいないのではないかと思います。今の仕事も平塚民商の会員だった方が尋ねてくれたことが始まりです。商工新聞で取り上げてもらって全国から問い合わせが来たこともありました。
会員のみなさんも大いに民商の集まりに出て、商売が元気になる運動に参加し、自分の商売を向上させましょう。