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憲法を生かし、申告納税制度と納税者の権利を守ろう!
倉敷民商弾圧事件・無罪を勝ちとる神奈川の会税制は「法律なくして課税・納税なし」が原則
浦野氏は「倉敷民商の事件を知るうえで、申告納税制度の歴史とその発展に奮闘してきた民商の役割を知ることが大事」と話をはじめました。「税制は主権者・国民が納得して課税・納税をすることであり、『法律なくして課税・納税なしの原則』が基本です。国民の代表者で構成する議会で決まった法律によってはじめて課税ができます」と税制の原則を説明しました。しかし、主権者が天皇だった戦前は「この原則に反している」と話し、「納税義務者が申告をするが、税務署はそれを参考に課税する賦課課税制度をとっていた」と納税者の意思とは関係なく、税金を押し付けられた戦前の税制を紹介しました。
戦後、民主的な憲法が生まれ、憲法13条(個人の尊重)から納税者の権利の基本的観点として「国民は自らのことを自分で決める」自己決定権の原則が税制の分野に具体化され「納付すべき税額が納税者のする申告により確定する」申告納税制度が確立したことを説明。また、法律は社会的に弱い人を守るためのものであること、行政をやりにくくすることで法律が行政を縛ることを目的にしていることを説明し、国民の意見を法律によって行政に実施させる、申告納税制度の民主的な意義を強調しました。
申告納税制度を実践してきた民商の役割
浦野氏は「しかし、税務当局は収支内訳書や概況調査を法律ではない省令で納税者に押し付け、戦前の賦課課税制度に戻そうとしてきた」と戦後の税制も申告納税制度を無視した執行だったことを紹介し、こうした動きに憲法を根拠に民主的な税制への転換を求めてたたかってきた民商の闘いの意義を話しました。
税務調査の立ち合いを認めさせ、納税者自らが権利を主張するとりくみ、事前通知を徹底させるとりくみ、自主計算・自主申告のとりくみを通して、権力とたたかいながら、申告納税制度を守る先頭にたってきたことを紹介しました。
法律違反の税務調査を認めない事実認定
次に浦野氏は違法な税務調査から始まった倉敷民商弾圧事件に話をすすめました。脱税を取り締まる国税犯則取締法に基づいておこなわれた税務調査で脱税した本人でない、本来出頭や供述を強制されない参考人(参考人規定も不確定概念で、参考人にも該当しないこともある)である事務局員と民商に対し、令状を提示した強制調査がおこなわれたこと自体が「法律なくして課税・納税なしの原則」を崩す違法調査であると告発しました。そして裁判では事実認定が重要にもかかわらず、こうした民商と事務局員に対する違法調査は認定しないで、裁判長は検察官の公判供述を採用し、誤った事実認定にもとづいて有罪とする冤罪事件であることを強調しました。また、争点となった事務局員が税理士法に違反したかどうかでは、税理士法2条で「税理士は他人の求めに応じ、租税に関し、事務をおこなうことを業とする」という条文に対し、民商事務局員は会員を仲間として、相談にのる立場であり、「他人」でないことを裁判所に知らせていくたたかいの重要性を強調しました。
民商の具体的な活動内容に話をすすめた浦野氏は自ら記帳や申告の仕方、納税者の権利を学び、民主的な税制の確立を求めて、商工新聞で世論を広げる活動していることを紹介し、「強権的な税務当局はこうした活動を恐れているからこそ、弾圧でつぶそうとしている」と事件の狙いを強調し、「税制の分野で憲法の基本的権利を具体化した申告納税制度を守り・発展させてきた民商運動に確信を持ち、民商と『無罪を勝ちとる会』を大きくして、弾圧事件を打ち破ろう」と訴えて、講演を終えました。
仲間を増やして弾圧をはね返そう
講演に先立ち主催者を代表して、あいさつに立った「無罪を勝ちとる会」会長の鎌田保神商連会長は「倉敷民商弾圧事件は納税者の権利を守る民商をつぶそうとするもの。民商を大きくして、弾圧をはね返そう」と訴えました。また、浦野氏の講演後、「会」の三浦謙一事務局長は6月13日の小原・須増裁判の最高裁への上告趣意書提出行動までに署名五千人分を集めること、次期総会までの会員拡大と署名の目標、それを達成するための学習と「地域の会」づくりの行動を提起しました。最後に「会」の幹事であり、建設労連書記長の氏家正一さんが「安倍首相の立憲主義を覆す動きに多くの国民が立ち上がっている。民主主義を踏みにじる税金分野で闘う組織を拡大して弾圧をはね返し、民主的税制を日本で確立しよう」とあいさつし、終了しました。 -
核兵器のない世界へ! 国民平和行進を歩きました。 厚木民商
今年も5月7日から神奈川県平和行進がはじまり、13日間「戦争も、核兵器もいらない」と元気よく県内を歩きました。
5月17日、県内第11日目の厚木コースには厚木民商婦人部の手作りプラカードが雨の行進に華やかな彩りを添えました。
プラカードは婦人部役員の北山治子さん(仮名)と目黒さんを中心に何日も夜遅くまで作業して完成させた渾身作。今にも羽ばたき、飛んでいきそうな大小色とりどりの折り鶴がレイアウトされ、平和への想いがあふれています。 -
北山治子さんの手記より
「平和への祈り」を込めてプラカードを作ることを決めたのですが、制作時間があまりなかったために、途中何度も諦め妥協しそうになりました。しかし、神婦協三役でもある目黒さんが最後まで妥協することなくサポートしてくれて、仕上げることができました。私以上に時間を費やしてくださった目黒さんに、厚木民商婦人部の「目標をもち、諦めない姿」を重ねました。
当日は朝から雨でしたが、100人以上が参加。その中で私たちのプラカードは、この日のプラカードコンテストで見事1位を獲得できました。
最後まで信念を持ち続けること、諦めないことの大切さを改めて学ぶことができました。 -
「若者を絶対に戦争に参加させてはいけない」
業者らしく☆戦争法廃止署名集めてます! 平塚民商 寺島 邦夫さん「若者を絶対に戦争に参加させてはいけない」
寺島さんは、平塚市南金目で21年間、居酒屋「団団」を奥さんの須美子さんと夫婦二人三脚で営んでいます。
お店の前には「ストップ戦争法」のポスターが貼ってあり、県道沿いにあるので目立ちます。
「団団」にはいろんなお客さんが来ます。積極的に訴えたりはしませんが、店内の戦争法署名ボックスに気づいたお客さんが署名してくれます。
寺島さんは「戦争には絶対にさせたくない。私の生き方です」と力強く語ってくれました。 -
みんなで満喫☆スカイツリー 小田原民商
5月15日、小田原民商は婦人部と共催で東京スカイツリー・ランチバイキング・浅草散策のツアーをおこないました。
30人が参加し、晴天のもとスカイツリーの眺めを楽しみました。サミットで前倒しになった三社祭が開催されており、浅草のにぎやかな雰囲気も満喫できました。
帰りのバスではビンゴゲームのプレゼントに子どもたちが大喜びでした。
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強権的な徴収は許さない〜自主計算の大切さ学ぶ〜 相模原民商
相模原民商は社会保険料の強権的な徴収に対し、相模原年金事務所と2回の交渉をおこないました。
5月11日の交渉には差押さえ通知を受けた2社の新会員Aさん(通所療養介護)とBさん(医療用部品製造)、相模原民商の中原事務局長、神商連三浦事務局長の5人が参加。
Aさんは滞納分とあわせて60万円の支払いを交渉。通所療養介護としては相模原市唯一であるAさんは事業を続けたいと「経営改善計画」も提示しましたが、職員は見もせずに「滞納が減るならいいんですが」と相談も渋る様子。「差押さえられたら従業員の給料も払えない」との涙ながらの訴えにも「それは事業主さんが考えて」と驚くべき発言が。中原事務局長は1月の中小業者決起大会の厚労省交渉で、日本年金機構の「差押さえで給料が払えず生活が困窮してもいいという立場ではない。滞納者の相談には実情に合わせるように指導している」との回答をあげ、「払う立場で来ている。支払い相談にのってほしい」と厳しく要求しました。
5月16日には年金事務所は態度をやや改め、支払い相談に応じました。この交渉で、Aさん、Bさん共に3ヶ月は希望の金額で納めること、その後は再度相談をしていくという結論を引き出しました。
二人は今回の経験から自主計算の意義を理解し、税実務を自主計算でがんばる決意をしています。Bさんは表情も明るく「経営を見直し、滞納を解消したい」と話し、Aさんは「仕事内容や事業継続への思いを聞いてもらえたのは今回が初めて。ホッとした」と、さっそく記帳に挑戦し、「やれそうな気がします」と、経営改善に向けて一歩ずつ歩きはじめています。
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商売・人生を語る「民商運動の一翼を!」
戸塚民商「横浜ヤナギホームサービス」二本柳 隆樹さん
横浜市戸塚区深谷町1417レジェ戸塚1−115 電話 045―852―2625函館から横浜に移り住んで34年。サラリーマン生活を経て内装業を始めました。勤めていた運送会社が倒産し、友人と運送会社を設立しましたが、うまくいかず、経費がかからない仕事を考えた末、世間に出始めたハウスクリーニング業を「これだ!」と思い、始めました。
しかし、思ったように利益が上がらず、独学で内装業を学び、仕事を確保するため横浜市内の不動産屋を片っ端から営業して回り、実績と信頼を積み重ねてお得意さんを確保しました。
民商入会は「何でも相談会」のチラシを見て行った税金相談がきっかけでした。親切かつ親身に対応してくれた原宿支部の役員さんが印象的で、商工新聞読者から数ヶ月後には会員となり、初参加の支部総会で支部役員になりました。
当時の支部長が時間を見つけては酒を酌み交わしながら「民商とは」「支部とは」「役員とは」を話してくれ、民商運動に参加していくようになりました。
現在は支部長と常任理事を担い、機会を見つけては会員訪問をしています。中小業者にとって厳しい状況が続いています。中小業者の経営と暮らしを良くする運動の一役をこれからも担っていきたいと思います。 -
ふいごとそろばん 平塚民商 後藤 武さん
日本NCRでサラリーマンとして働いていましたが、父と弟が始めた遊漁船業が忙しくなったので29才の時に手伝いはじめました。
結婚後、新築した2年後に漏電が原因で火災となり、家が全焼するという不幸がありましたが、4人の子どもに恵まれました。
▼青色申告会に入っていましたが、87年に法人にするので民商へ入会。税務調査があったときに、民商事務局員の立ち合いで本当に頼りがいと安心を実感したことを覚えています。この時に新しい船を買い、進水式をおこないました。
▼役員から支部長も引き受け、今は理事としても頑張っています。一緒に頑張ってきた元会長の千賀利男さんが3月に突然亡くなり、大きな戦力を失って途方にくれているところではありますが、そうも言っていられません。
▼私も4年前に軽い脳こうそくになり、今までのような働き方は出来なくなっていますが、そろそろ息子に事業を繋いでいくことを考えています。
今の若者は、めんどくさいことは嫌がってなかなかやりませんが、こつこつと伝えていきたいと思っています。