【神商連しんぶん2017年11月号】
  • 「健康破壊の犠牲者を出さない」9月24日 いのちと健康を守る学習交流会

    神商連共済会は9月24日、川崎中原民商で第14回いのちと健康を守る学習交流会を開催しました。

    今回の交流会は、いのちと健康をめぐる医療や介護制度の動きを学習し、国や自治体への要求運動につなげること、健康破壊がすすむなかで、仲間から犠牲者を出さないようにするために、未受診者をゼロにする集団健診活動をすすめることを目的に開催し、17民商から56名が参加しました。

    4つの講演のあと、国保の改善、介護の充実、健診制度の改善で自治体と話し合うこと、会員と配偶者の健診受診状況を一人一人つかみ未受診者ゼロの集団健診活動を抜本的に強めようとの問題提起がされました。

    代表発言では加入者が減る中で受診者を増やしてきた厚木民商、横浜緑民商、婦人科検診で相模原民商、多摩麻生民商、国保減免の活動で川崎幸民商が発言しました。

     

    健診の勧め方、参考になった

    トップバッターは「健康診断の有用性」と題して、川崎医療生協保健師の高野亜紀子さんが講演。がん検診の進歩と検診を受けない人にどう勧めるかについて、高野さん自身の経験も話され、「大変参考になった」、用意された健診項目の説明資料で「健診結果の見方もよく分かった」と好評でした。

    次に「『国保(国民健康保険)の都道府県化』で国保はどうなる?」と題して前県社保協事務局長の佐々木滋さんが講演しました。国保料(税)の決め方、なぜ高いのか、都道府県化で国保制度の中に医療費抑制と徴収強化の仕組みを作ろうとしていることが明らかになりました。また、都道府県化に対して、国保は社会保障であり、@「払える保険料」であること、A保険証1枚でいつでもどこでも誰でも必要な医療が受けられることを基本的な要求にして運動していくことが話されました。

     

    介護の改悪、声をあげることが大切

    三番目に横浜市社保協事務局長の阿部健司さんが「介護制度の仕組みと介護改悪の流れについて」講義しました。2015年の法改悪で、軽度者(要支援1・2)が給付から外され、特別養護老人ホームの入所対象が介護度3以上とされ、自己負担の2割導入(一定の所得ある人)がされました。2017年から介護保険から外された軽度者の介護サービスを自治体の総合事業として介護保険給付より劣る内容で始められます。

    団塊の世代が75才以上となる2025年に向けて、国は美辞麗句のスローガンで地域(自治体や住民)に医療や介護を押し付ける計画を立てています。「在宅での看取りを4割に」とか「要介護認定数の8割を在宅介護に」など恐ろしい数値目標が立てられています。

    こうした攻撃に対して、現在の介護サービスの継続を保障することなどを自治体に要求していくことが示されました。

    最後に「アスベスト被害の根絶のために」と題して神奈川建設労連書記次長の内藤賢介さんが労災・救済法の申請や身近に潜むアスベストの危険性を講義しました。

  • いのちと健康を守る学習交流会「参加者の感想」

    健康診断について

    「高野保健師さんの健康診断の必要性と生活習慣については考えさせられました。今日からでもできるところから改めていきたいと思いました」「健康診断。受けない人は本当に受けない。とても困っている。話の中にあった勧め方を参考にしたいと思います」

     

    国保の都道府県化でどうかわる

    「都道府県化になったらますます徴収強化がはじまる。将来が不安…。今、社会保険ですが、65才を過ぎて国保に変わると支払いが大変になると思います」「『消費税増税分は社会保障に使う』はウソばかり。アベをこれ以上のさばらせるわけにはいかない」

     

    介護保険制度の仕組と改悪の流れ

    「介護もだんだん厳しくなってきています。ヘルパーとして現場で働いていると介護度の縛りがあって、家族の負担が多くなっているのが現状です。思うような認定が受けられず、自費でサービス料を払うという方も少なくありません。実態を把握して法律を見直してほしい」「高い保険料を払っているのに介護を外されたら大変困る」「個々の民商でも集まって勉強会を定例でするべき」

     

    アスベスト被害の根絶のために

    「アスベストが今までいろいろな処に使われていることにびっくりしました。『うちにもあるわー』と心配になりました」「アスベストは国が『使え』と言って使ったのに、病気になっても責任をとらないのは許すことができない」「国や関係企業に責任を認めさせ、救済の仕組みを作らせたい」

  • 共闘に参加し、理解し合う努力を「野党と市民の共闘」で感じたこと
    県常任理事 小原 邦雄さん

    茶番のような政党再編成で始まった総選挙は投開票日が選挙戦を象徴するような大荒れとなりました。自公与党が310議席を獲得したのは別として、日本共産党が12議席にとどまり、もやもや感がいっぱいです。そんな中ではたの君枝さんの再選はたいへんうれしく思います。

    民商は安保法制の強行直後から「反対」の立場で運動をおこなってきた広範な人々と共同を追求し、今回の総選挙では市民連合の一員として「安倍政権が進めようとしている9条改正への反対」など7項目を一致点として野党共闘を推進してきました。小選挙区ごとに野党共闘を推し進める組織がつくられ、統一候補の一本化の努力がされました。

    私は戸塚民商ですが、戸塚区、泉区、瀬谷区の神奈川5区でも野党統一候補をつくろうと神奈川5区市民の会が結成され、共産党、民進党、自由党、社民党の各党も参加し、野党間の候補者が一本化されれば、それを支持して選挙を闘うとの合意に至り、候補者決定待ちの状況でした。この時点で野党の予定候補者は民進党と共産党の2人で、大方の見方は現職の民進党の候補に一本化されるだろうとの感触でした。しかし、突然の民進党の消滅で、民進党候補の水戸まさしさんは降りるということになりました。共産党の候補者が統一候補になると思っていました。市民の会も「水戸ありき」ではなかったようですが、共産党候補の組織決定はされませんでした。2月からはじまった一本化の合意形成の話し合いでお互いの理解が深まり、個人として共産党の候補を応援する方々も生まれました。そのため共産党から立候補した横山征吾さんは過去最高の得票率を獲得しました。

    「『野党と市民の共闘』は全体でまず一致できる条件から」すすめるという市民の会関係者のことばを噛みしめたいと思います。

    神奈川でも4区、6区、12区が野党共闘の候補者が小選挙区で勝利しました。比例区で復活した候補もはたのさんを含めて、3人生まれました。私たちが奮闘して生み出した議員です。

    民商は「消費税10%増税ストップ」など5つの要求をかかげて、総選挙を闘いました。業者要求で応援した統一候補との話し合いを進めたいと思います。そして、「市民の会」に積極的に参加し、お互いの理解を広げ、全体で踏み出せる一歩をテーマにする努力が求められていると感じています。

  • 原子力空母はいらない 10・1横須賀集会に1500人

    10月1日(日)横須賀・ヴェルニー公園で「原子力空母いらない!10・1横須賀集会」がおこなわれ、民商・神商連から57人、全体で1500人が結集し、原子力空母の母港化の撤回と安倍政権の退陣を求めました。

    集会では主催者のあいさつやリレートークなどで原子力空母の母港化撤回を要求するとともに米朝の対話を求める世論を広げること、安保法制廃止と立憲主義の回復を求める野党と市民の共闘を強め、安倍政権を退陣に追い込む決意が述べられました。

    集会後、米軍横須賀基地の前を通り、横須賀中央駅までデモをおこない、「原子力空母の母港化反対」をシュプレヒコールしました。

  • 佐原のまちを散策

    川崎中央民商では秋晴れの10月1日(日)佐原のまち歩きとバーベキューのバス旅行を11人の参加で行いました。佐原ではまちの一角の古い町並みが保存され、懐かしい雰囲気が味わえました。また佐原は日本地図の作成で有名な伊能忠敬の出生地です。生家や記念館などもあり、1日かけてゆっくり歩きたいまちでした。昼食はこもれびの森イバランドでバーベキューに舌鼓を打ち、アサヒビールの工場見学では出来立てのビールを味わいました。

  • 商売・人生を語る
    「仲間の支えでがんばれた」 横浜緑民商 中澤 文恵さん
    (有)美光技研 横浜市都筑区池辺町4614 電話:045-935-1956

    父が創業した渠光技研はドライブレコーダーなどプラスチック製品に塗装・印刷を業務としている会社です。現在、従業員は15人です。

    私は高校卒業後、大手機械メーカーに就職。その後、人間相手の仕事がしたいと働きながら保育士を目指しました。働きながら短大を卒業。結婚、出産をした頃、父が病に倒れ、事業を手伝う事になりました。事務仕事、納品に回る日々でした。

    数年前、がんで余命わずかの父に会社をどうするかと聞かれました。従業員たちの生活、父ががんばって築いた会社を「やめる」とは言えませんでした。夫の応援もあり、父が他界すると同時に会社を継ぐことになりました。

    継いで間もなく、労働問題など数々の問題にぶつかりました。会社の存続さえ危うくなりそうな時、精神的に疲れ倒れそうな時、がんばってこられたのは親身になって相談にのってくれた民商のおかげです。民商にいなければ誰に相談し、どう解決するのかさえ分からなかったです。まだ大きな問題を抱えていますが、それが解決したら色々な事を学び、元気な会社にしたいと思います。

  • ふいごとそろばん 湘南民商 渋谷 とみさん

    中野健太著「108年の幸せな孤独」を紹介します。新潟県の小作農三男、1928年20才で単身キューバに渡り、108才で生涯を閉じた島津三一郎のドキュメントです

    ▼貧しい生活からひと儲けしたいとキューバに渡った三一郎でしたが、かつての好景気は影をひそめ、厳しい肉体労働が待っていました。第2次世界大戦の敵国人として強制収容所送りにもなりました。キューバ革命を経験し、決して順風満帆ではありませんでしたが、89才まで現役でスイカづくりに勤しみました。生涯独身で引退後は月1000円の年金をもとに老人ホームで余生を過ごしました

    ▼キューバは長い間の経済制裁で厳しい状況でしたが、教育費、医療費は無料でした。三一郎は言います。「生きていくのに一銭もいらない。こんな場所は世界中どこにもない」「長生きできたのはお金を持っていないからだ」。移民といえども差別されることなく手厚い介護を受け、生涯を閉じました

    ▼現在、日本には衣食住にも事欠く低所得、低年金の高齢者が数百万人いると言われています。お金に左右されない老後の暮しを夢物語にしたくありません。

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