【神商連しんぶん2019年11月号】
  • 10%で商売つぶすな!インボイスは廃止を!

    消費税率が10月1日から10%に引き上げられ、同時に複数税率も強行されました。中小業者・国民の暮らしをかえりみず襲いかかる、憲法にも反する10%と複数税率に怒りと不安が広がっています。さらに、2023年10月からはインボイス制度(適格請求書等保存方式)が始まります。「うちは免税業者だけど、この制度が始まったら、どうなるのか・・・」と考え込む津久井岳志さん(茅ヶ崎民商・造園業)を尋ねました。

     

     

    腕自慢の造園職人

    津久井さんは茅ヶ崎生まれの茅ヶ崎育ち。農業をする祖父母、土いじりが好きなお父さんの影響で農業高校から農業の大学、更に造園専門学校で学び、一級造園技能士の資格を取得しました。造園会社に就職し現場監督やデスクワークを経験し、2009年に独立し「一富士園」を立ち上げました。

    以来10年、地元茅ヶ崎に根を張り、個人のお宅やときには広大な大学のキャンバスの手入れなど、仕事の幅も大きく広がっています。お客さんに信頼され、腕がものをいい、そこを見込んでもらい仕事は途切れません。まさにフリーランスさながらの津久井さんは免税業者です。

     

     

    インボイスに追い込まれる

    新たな増税と制度が変えられ、津久井さんが困惑しているのがインボイス。インボイスを発行できない業者は、そのことを理由に取引を続けてもらえなくなる危険があります。また、課税業者になることを選べば、1業者あたり15万円もの消費税が新たにのしかかってくると財務省が試算しています。過重な税負担や実務負担を考慮したこれまでの免税点制度は事実上の廃止となり、中小業者の生きる道が閉ざされかねません。

    津久井さんは、地域の不動産屋や会社から依頼される仕事のことなどを考え、今は免税業者だが、課税業者になるしかないだろうと考えていました。日頃から仕事上で助け合い、親しくしている何人かの同業者に「どうする?」と尋ねてみても、ほとんどが「考えていない」「その制度がどんなものか分からない」と、話しは途絶えてしまいます。津久井さんは、「自分も最初はそうだった。しかし、商工新聞などで知れば知るほど、これは一体どうなるのかと疑問が広がる。わからない!では済まない」と複雑な思いをかかえています。

     

     

    学び商売に引寄せて

    「単なる増税だけでなく、小規模の自営業者には今の商売の在り方さえ尊重されない不安に翻弄されます。しかし、『分からない』では仕事が続けられなくなるかもしれない。勉強して対策を考えていこう、とみんなにはたらきかけないと」と津久井さんは言います。

    また、「増税後にガソリンをいれたら1?10円も上がっていてびっくりした。値の張る道具や機材の購入では消費税が本当に重い。料金は据え置き、赤字ギリギリで、良い仕事で喜んでもらうことを大事にしてきたが、経費が膨らんで大変な事情など率直にお客さんに相談しています。独立10年目の節目に単価の見直しを含め、商売の在り方を考える機会です」と困惑しながらも前向きです。

    「消費税は上げられても、何にどう使われているのかが実感できなくて、そこが問題です。しばらく様子を見ながら、仲間内にも声かけを続けて商売を考えていこうと思います」と、政府が進める悪政に痛めつけられながらも、商売を続けるために学び、横のつながりで乗り越えていこう、という津久井さんの姿勢が伝わります。

  • ストップ!10%消費税 横浜駅西口宣伝に怒り寄せられる

    ストップ!ネットかながわ」は、消費税率10%引き上げが強行された10月1日、横浜駅西口高島屋前で消費税増税を告発する宣伝行動を、6団体24人の参加でおこないました。宣伝行動ではシール投票をおこない、増税に反対が70人に対し、賛成はわずか4人でした。シール投票をおこなった若い女性は「写真を撮っていいですか?」と聞いてきて、増税反対が圧倒的多数のシール投票をSNSで拡散していました。

    呼びかけ人の馬場一郎さんや仲野和則さんなど7人がハンドマイクで「参議院選挙で自公議席を減らし、出口調査でも増税反対が賛成を上回り、国民は増税を信任していない。増税の強行に抗議する」などと訴えました。また、衆議院議員のはたの君枝さんも国会から駆け付け、消費税減税の党派を超えた共同の運動を呼びかけました。

    30代の男性は「正規だけど収入は1人でカツカツ。2%の増税は大きい。(税率が)上げられるたびにそのお金で暮しが良くなる感じがしない」と話していました。

  • 横浜にカジノはいらない

    カジノ誘致反対横浜連絡会は10月3日、「横浜にカジノはいらない・市民集会」を開き、横浜市内の民商からも参加しました。

    「カジノ問題については白紙」と言いながら市長選に当選した林文子横浜市長は突然に横浜へのカジノ誘致を表明しました。同会はこの集会で、カジノの是非を問う住民投票を行うことを確認し、1200人の参加者に受任者登録を呼びかけました。

    後藤仁敏共同代表は、圧倒的に世論を広げ署名を集める事が、林市長のカジノ誘致補正予算に賛成した自民・公明を動かす力になると強調しました。

    カジノ問題を研究してきた鳥畑与一静岡大学教授は、「経済学を専門とし、多重債務の調査をする中で、人生を破壊するカジノの問題に出会った。20年、30年先の横浜や神奈川、そして日本を考えて判断することが重要」と指摘しました。

    日本共産党、立憲民主党、社民党の国会議員や地方議員なども多数参加。「れいわ新選組」からのメッセージも届けられ、市民と野党の共闘でカジノ阻止の運動が立ち上がっています。

    神奈川県弁護士会、神奈川県保険医協会、市民連合横浜などから連帯が表明され、横浜港運協会・藤木幸夫会長からもメッセージが寄せられました。

    民商参加者も、横浜の力を集めて運動をすすめる決意をしました。

  • 声かけあって健診を!いのちと健康を守る学習交流会

    神商連は10月20日、第15回いのちと健康を守る学習交流会を神商連会館で開催しました。

    会員の高齢化と売上減少や、消費税と社会保障の負担が重くなる中で、いのちと健康を守る運動をどうすすめるか学び交流しました。

    全体会講演で唐鎌直義さんは、消費税が10%に増税されて、消費税と直接税と社会保険料を合計した実質公租公課負担を世帯の平均年収で除した負担率は高齢夫婦無職世帯(平均年収251万)と年収第]10分位の勤労者世帯(平均年収1418万)を比べると高齢無職世帯の方が大きくなり、税の累進構造が消費税によって破壊されていること。国民1人当たりGDPの社会保障給付費の国際比較で、ドイツの一人当たりGDPを100とすると日本は87、ドイツの社会保障給付費を100とすると日本は75で、日本国民は自国の経済力に見合った社会保障を享受できていない。社会保障の伸びしろは十分にあると指摘しました。

    集団健診活動について、全会員と対話し、受診状況の聞き取りをして、健康診断を受けていない会員と配偶者に受診を働きかけること。共済金の支払い状況から、入院と死亡が増える60代、70代の受診を強めること。会員と配偶者が受診しやすい受診料設定にすることが提起されました。集団健診と婦人科健診の取り組み状況を4民商が報告しました。

    午後は3つの分科会を開催。アスベスト健康被害と救済制度、医療・国保、介護について講師の話を聞きながら、アスベスト被害が疑われたら?介護費用が払えないどうしたら?国保料が高すぎる事などを話し合いました。

  • 第16回全国業者婦人決起集会

    9月26日、東京上野で第16回全国業者婦人決起集会が開催され、全国から1200人の仲間が集まりました。

    神奈川はそろいのTシャツを着て87人が参加し、「10%消費税反対」「56条は廃止を」のカードを掲げてアピールしました。

    神婦協の熊沢朋子会計は、「消費税増税に反対し、県内4ヵ所で宣伝行動を展開し、市民に世論を広げています。力を合わせて税率引き下げを実現しましょう」と舞台で発言し、大きな拍手をもらいました。

    集会の後は御徒町の大通りをぬけ、パレードしました。午前中は、上野駅頭大宣伝行動、国会議員要請行動・懇談会、省庁交渉と多彩に行動しました。

  • 商売・人生を語る「お父さんが残してくれた宝もの」
    戸塚民商「肉のヨシオカ」喜岡 愛子さん
    横浜市戸塚区汲沢町1154-4 TEL:045-861-8219

    「肉のヨシオカ」として1984年3月に横浜市戸塚区原宿町で開業しました。2年〜3年は固定客がつかず休みもなく昼間は仕事、夜はアルバイトの生活でした。問屋さんの支払いにも困窮し何度も支部の役員や会員さんに助けられました。

    そんな事もあり「お父さんもうお店を閉めて他に働きのいこうよ」と何度も言いましたが「食べ物商売は食べる事には困らないから続けたほうがいいんだ」とその都度説得させられました。深谷町から今の汲沢町に移転したとき「医療生協の病院へお弁当を作って納入しないか」と民商の役員さんに紹介されお弁当卸しも始め、保育園への肉の卸しも1ケ所からから9ヶ所へと増え商売も順調になりました。しかし、長引く不況で4店舗あった店も自分の店しか残らなくなりました。商売が軌道に乗った矢先、主人の病気が発覚。息子に肉をさばく技術を主人が教えました。2013年に主人が亡くなり商売をどうしようかと迷っていたとき励ましてくれたのが民商と地域の人たちでした。おかげでこれからも娘と青年部長をやっている息子と3人で体の続く限り頑張っていきたいです。地域の人たちとの繋がりでお弁当の配達先も広がっています。

    息子に「沖縄民謡でサンシン(沖縄三味線)でもやったら」と勧められ、「やーるーず」という沖縄民謡サークルに入り仲間たちと楽しくやっています。

  • ふいごとそろばん 三浦民商 三堀 広治さん

    商売40年、山あり谷あり、資金繰りが苦しい時も乗り越えて、水道工事業を生業として歩んできました。

    ▼今は、儲からない仕事には手を出さないと決断し、車両や機材を処分し経費を削減して、一般家庭の水回りのメンテナンスを主としています

    ▼ただし、営業宣伝広告には費用をかけていません。今後は人口減少・人手不足・職人不足により修理業者も減少の一途をたどり、修理費用も高値になると思われます

    ▼今回の台風15号や19号のように、同時に災害が起こると業者さがしも大変で、即工事着工修理は無理で、2カ月3カ月待ちとなります。私も被害者です

    ▼民商歴30年、この間、消費税増税3回、自分も税務調査を2回受け、民商の仲間にも力になってもらいました。一民商会員でいようかと思ったら役員が回ってきて、早10数年です

    ▼消費税反対の運動、税務署交渉、会員拡大、その他さまざまな問題に取り組み、活動しています。特に苦労するのは会員・読者拡大です。起業する方が少なく、高齢化により廃業する方が多く、組織建設は上向きませんが頑張りますので今後ともよろしくお願い致します。

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