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業者の窮状すぐに救って―制度活用に全力―
給付金が振り込まれた!横浜緑民商
横浜緑民商の寺門朋子さんは、横浜市青葉区で(株)TERA(旅行業・各種教室業)を経営しています。
昨年10月の消費税増税に続き、今回のコロナ感染拡大の影響で、3月から教室を休まざるを得ない状況になり、収入はゼロに。寺門さんは4月7日に神商連がおこなった県への緊急要請にも参加し、「東日本大震災の時は先が見えて対策も取れたが、今回は見通しがなく、資金繰りめどが立たない。家賃などの固定費は休業していても変わらずにかかる。固定費補助制度を早急に作ってほしい」と窮状を訴えました。
寺門さんは活用できる制度でつなごうと、この間、使える給付金はすべて申請してきました。国の持続化給付金は受付開始の5月1日には集中しアクセスができず、翌2日に済ませることができました。15日に「振込のお知らせ」ハガキが届き、慌てて通帳記帳すると200万円の入金を確認できました。さっそくラインで民商の仲間に報告すると、「やったね!」と返信が。「うちも申請します」と、みんなが挑戦するムードになりました。4月27日に郵送で申請していた神奈川県の休業協力金20万円の入金も同日確認できました。
寺門さんは、休業につき休んでもらっている講師の人たちにも、持続化給付金の申請を勧めていますが、「わかりにくい事が多い。説明や要領がわかりにくく、困っている申請者の立場にたっていない。故意に複雑にして申請を断念させようとしているのでは?」と憤慨します。
横浜緑民商ではラインも活用して会員同士が情報交換し、制度や申請について知らせ、みんなで生き延びようと呼びかけています。 -
実情に即した早い交付を! 湘南民商
湘南民商では5月20日現在、75人が神奈川県の新型コロナウィルス感染拡大防止協力金の交付申請をしています。紙ベースより電子申請の方が速いのが一般的ですが、協力金交付手続きに際しては事情が異なるようで、「待ち期間」が長い。
電子申請をした不動産業の会員の場合、申請後2週間以上が経過したものの、まだ交付がされていません。申請から交付までの期間が長く、「交付時期はいつなのか、要件がそろえば交付されるのではないのか。支払いなどが大変なのに」など、不安は日ごと膨らむばかりです。
県は、県議会が補正予算を承認した4月24日夜に電子申請を開始。この日から休業した会員は、その夜に申請しました。電子申請では、県の担当者が提出書類をダウンロードした日時を随時確認できるのが特徴で、提出書類を通算4回ダウンロードしていることが分かります。県職員が交代制勤務で、マンパワーが通常の半分程度で、担当者の業務量が大幅に増加しているとのことです。しかし、業者が追い込まれている事態から、最短で交付されるように改善してほしいと願わずにはいられません。
一方、藤沢市の拡大防止協力金の交付申請期間は、県協力金の交付実績を申請要件としています。県の交付が遅れれば、市への申請、交付も遅れます。休業で実入りがない中で、従業員の賃金やテナント賃料を含め、運転資金は日々目減りします。経営者は精神衛生上も追い詰められています。
藤沢市の窓口には申請がされ始めているようですが、会員たちは、「電子申請開始初日夜に申請したのに、まだ実行されていない。県は一体どうなっているのか」と、困惑しています。 -
資金繰りにめど! 戸塚民商
戸塚民商鎌倉支部の漆原さんは鎌倉で電設業を営んで42年になります。1990年代初めのバブル崩壊後はほとんどの取引先が破綻し、被害にも遭いましたが、信頼してくれる顧客のおかげもあり、共倒れせずにやってきました。
度重なる消費税増税は商売にとって大きな痛手でしたが、その都度乗り越えてきました。以前は工務店や運送・建設設計業者からの受注でしたが、高齢化による廃業などの理由で得意先からの仕事も目減り、さらに、コロナ感染の問題で、大きな壁に直面しています。個人宅の仕事が主ですが、お客さんたちが自宅に他人の出入りを心配し、依頼されていた仕事のほとんどが中止・延期になってしまい2月下旬から急激に減少。3〜4月とさらに減り、このままでは商売の存続や生活の不安も大きくなるばかりです。
民商の役員会議で、国や自治体のコロナ緊急対応の制度を知りました。4月3日の鎌倉支部大船班の集まりで若林支部長から、「コロナ不況対応」計画が提起されました。仲間の1人が、政策金融公庫新コロナ不況特別融資の申込書を持参しており、それぞれの情報を出し合い、漆原さんも活用してみようと決意。決めたら一刻も早い方がいいとさっそく準備を始め、6日に政策金融公庫に行くとすでに20人ほどが来ていました。午前中に申し込みを済ませ、15日には実行する旨の連絡が入り、21日には融資契約書類も送付され、これで当面の運転資金のめどが立ったとひと一安心できました。
鎌倉支部では20日現在、融資や給付金活用は38人。支部長中心に役員が丁寧に会員の状況に寄り添い相談活動を進めています。自主休業が続いている仲間の店が、一日も早く再開できることを願って活動します。 -
町民のくらし・営業を「守」支援ビラ町内全戸に配布!
愛川町交付金20万円で元気! 厚木民商厚木民商愛川支部は、コロナ禍の中でも毎月支部会を開き、仲間の実態や対策を出し合っています。
5月14日の支部会ではこのほど愛川町が制定した「町民の生活・町内事業者の営みを守る緊急支援対策」のB4版両面刷りのビラが全戸に配布されたことが話題になりました。
コロナでくらしも商売も緊急事態の中、民商・婦人部では町に独自の支援策を数度にわたり要請してきました。また、会員や読者を含む飲食店組合の人たちで相談し、組合長が要望書を提出していました。
日本共産党町会議員団も業者の実態を細かく聞き取り、町長に経済・生活支援対策を申し入れるなど、住民の共同の要望が行政の後押しとなった結果です。
「諦めないで何度も声を上げてよかったね」「町のビラを見ると業者だけでなくひとり親家庭や高齢者単身世帯、休校の子ども対策など、きめ細やかな支援内容だね」「何といっても、業種を問わず一律20万円の事業者支援は本当に嬉しい」「国保の減免は助かる」「国保に傷病手当、事業主にも出してほしいね」などとビラを見ながら活発に意見が出されました。これらの制度をまだ知らない会員や業者に広く知らせようと話し合いました。
愛川町に続き、厚木市でもひとり親家庭への支援など、コロナ禍から市民の暮らしを守る制度が、間もなく臨時議会で決定する見込みとなっています。この間の民商の要請が、各自治体で実り始めています。愛川町緊急支援事業の内容 総額2億4500万円
●個人企業・個人事業者への支援金(売上減少率30%以上までを対象とし給付額一律20万円)
●災害時用の感染対策物品を整備
●いのちを守る基金の創設
●継続運営が必要な民間施設への支援金
●水道基本料金の減額(すべての町営水道使用者、本年5〜8月の市新聞50%減額)
●ひとり親家庭などへの支援金(1世帯あたり2万円)
●感染対策用の救急資機材を整備
●「次亜塩素酸水」の無料配布
●準要保護世帯への支援金(小・中学生1人あたり一律1万円)
●国民健康保険税・介護保険料の減免
【全額免除】新型コロナウィルス感染症により、生計維持者が死亡または重篤な傷病を負った場合
【一部免除】新型コロナウィルス感染症の影響により、生計維持者の事業収入などの減少が見込まれ、一定の要件に該当する場合
●国民健康保険傷病手当金
(感染症などで療養し旧吉原を受けられなくなった場合、給与相当額に一部支給)
●ひとり暮らし高齢者へマスク配布
●笑顔の花プロジェクト事業
●税金・保険料・水道料金・下水道使用料で困っている人の相談事業 -
商売・人生を語る「住み続けられる家づくりに腕がなるる」
茅ヶ崎民商「(有)佐久間工務店」佐久間 秀男さん
高座郡寒川町宮山394 TEL:0467-74-1551父親の後を継ぎ、地元の皆さんに信頼される佐久間工務店2代目として頑張る佐久間秀男さんを訪ねました。
父親の七郎さんは、福島県二本松の出身。地元で大工見習をしていましたが、修学旅行で観た湘南地域に憧れ、列車に乗ります。鎌倉にたどり着き、以来、大工の道ひと筋。故郷の若者たちを呼び寄せ、弟子入りさせ、何人もの職人を育ててきました。
住み込みの弟子たちが暮らすにぎやかな環境で育った秀男さん。学友はそれぞれの進路をめざす中、自分の将来は自然に大工の道につながりました。
大工職人の親子がつないできた佐久間工務店は、地域の人たちからの注文で要望を聞き、丸ごと建てる「家」。1年に7〜8棟の仕事を手掛け、人生最大の買い物と言われる住まいづくりを続けてきました。設計は同郷の知人の設計事務所が一貫して信頼の仕事で支えてくれてきました。
「若いころは怖さなどまったく感じず、細い梯子にも高い屋根にも登り働きましたが、最近は気をつけなきゃ、と慎重になったりします。年ですかね!」と笑う秀男さん。いま、秀男さんは横のつながりを生かし、大工・基礎・屋根となんでもこなしながらお客さんの細かな要望に応えています。手がけた「家」の状態は手に取るように頭に入っており、顧客のニーズに寄り添う仕事で、バブル崩壊、リーマンショックなどの深刻な時でも落ち込まずに営業を続けてきました。
新しい建築をめざす一方で、秀男さんが大事にしているのは「古い建物」を大事にする思い。修理して使い続けられる「家」づくりは永遠のロマンです。「木」を相手の仕事、その話題になったら一段と表情が変わります。ねじれや反りに向き合い、家屋の一部になって頑張ってもらうために、手塩にかける木との世界。「昔の木は質が良かった。近年は温暖化で育ちが良くないです」と表情も曇ります。
話しの流れで宮大工職人の興味深い話題に。茅ヶ崎駅前商店街エメロードの小道にある赤い鳥居のお稲荷さんは、お父さんが健在で秀男さんが20代の頃に佐久間工務店が手掛けたもの。若い衆が厳かな中にも威勢よく仕事をし、大きな刺激を得たと振り返ります。30年以上前に商店街の一角に鎮座したお稲荷さんは今での街の風景に溶け込んでいます。
いつもの晩酌は、お母さんのハツヨさんと妻の静香さんが畑で作った野菜がいっぱいで、「つい飲みすぎるんですよ」と幸せそうな表情の秀男さんです。
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ふいごとそろばん 厚木民商 中川 真樹さん
「差し押さえは三回喰らったよ」と、にこやかに話すその人とは入会後、初めての相談会で出会いました。私の抱える悩みが小さく感じ、気持ちが楽になったことを思い出します
▼相談会では互いのことを話すうちに共感し、距離が縮まっていきます。人は人の言葉で救われる生き物なのではないでしょうか
▼祖父母から自動車修理工場を継いで三代目。何とかやっていられるのも、周りの仲間のおかげです。会員の皆さんからも、日々暖かい言葉をいただいております。思えば、悩めるときには、やさしい言葉が支えとなり、勇気をくれ、私を成長させてくれました
▼「LIFE IS GIFT」これは私の大切な友人からいただいた言葉です。人生は贈り物。わたしという存在が今あるのは誰のおかげでしょう。わたしが母の胎内から生まれ出る時に見た光は、すべてのはじまりでした。わたしにとっての世界は母からの贈り物
▼祖父母が残してくれた工場のおかげで仕事が続けられます。周りの仲間のおかげで気持ちが安らぎます。そして何より、母が産んでくれたから今の私があるのです。今月は母の日。おかあさん、僕を産んでくれてありがとう。