【神商連しんぶん2020年07月号】
  • みんなうちで一緒に働こう!走るよ横須賀からどこまでも

    軽1台から会社が生まれた

     

    「お客様の大切な荷物を心を込めてお届けいたします」の理念を大事に、数十人のドライバーが今日も元気に車を各地に向け走らせます。

    山口あっこさんが社長を務める(株)MIECo.,Ltdは横須賀市吉井にあり、夫で会長の政和さんと二人三脚で経営しています。

    三浦市の酒店に生まれ育ち、商売の環境に子どものころから馴染んでいたあっこさん。京急バスの運転手だったお父さんの影響もあってか、若いころから車の運転は好きで得意でした。20代から4人の子育てをしながら、三浦の魚を明け方までに築地市場に運ぶ仕事をこなしていました。

    やがて、軽自動車1台を持ち、大手宅配会社の下請けの仕事を始めます。大型を運転する政和さんは、およそ30年以上にわたり、ドライバーの教育指導に携わってきた運送業界のエキスパート。ひと足先に会社を立ち上げたあっこさんと、昨年春に合流し、着実に経営を成長させています。

     

    従業員は会社の宝

     

    政和さんから「運転は上手ですねー!助手席に座っていても安心して居眠りできます」と言われるほどのあっこさんの腕前。時には、東北、北海道、中国地方へとチャーター便を一人で走らせることも珍しくありません。24時間あれば休憩も入れて、大概のところは行って帰ってきます。

    「彼女の仕事を見ていると、人間の成熟度は運転に示されるなあ、と感じます。人への気遣いや女性ならではの苦労などが、安全な運転というだけでなく、上質のサービスを届ける運転になり、受け手の安心につながっています。各地にいろんなつながりが広がって、あちこちから贈り物が次々と!」と政和さん。「今日はずいぶん褒めるねー」と目を細めるあっこさん。互いへの信頼が伝わり、安定した経営の源を感じました。

    (株)MIECo.,Ltdが円滑な経営を保つひとつの要素は、あっこさんの従業員に対する面倒見の良さと政和さんは指摘します。一人ひとりが抱える事情や悩みに寄り添い、じっくり話を聞きます。時には、自宅に泊めて生活をともにすることも。「とにかく彼女には人がついてくる。これまでに募集の広告宣伝費は一切使ったことがありません。去っていく者もいますが、人が人を呼んでくる方が多いです」と話す政和さんの言葉から、20代から60代までという広い年齢層の従業員を大事にする夫妻の姿勢が伝わります。「常に従業員は募集しています!」とあっこさん。

     

    コロナ危機に安心の対応

     

    経営者夫妻と従業員が力を合わせる会社も、コロナ禍の波にもまれた数か月でした。春先から初夏にかけてのイベントが軒並み中止となり、ビールのイベント、スポーツ関連、車の展示会など、固定的な仕事にキャンセルが相次ぎました。売り上げは昨年の半分ほどに落ち込み、参った!と思うや否や、政治和さんはいち早く持続化給付金を申請したところ、不備もなく口座に振り込みがありました。従業員も大人数であることや、先行きが分からないので、取引のある地域の信金などとも相談し、「新型コロナ感染症特別貸付」の融資も受け、ひと安心したところです。「当面の見通しもたち、従業員を休ませるようなことなく日常的な宅配の仕事もあるので、大丈夫です」と笑顔の二人です。

     

    地域が潤う仕事の発展を

     

    将来の夢を訪ねると「今は下請けの大きなトラックも全部自社の仕事をし、この場所で会社を大きくしたいですね」と声をそろえます。自然豊かで海・山の産物も美味しい横須賀。この地域を、会社を発展させて盛り上げ、住民の雇用を生み出したい、と語ります。

    会社設立から4年が経ちました。従業員の人数などをかんがみ、事務所を建て増し、2倍の広さにしました。いま、広い駐車場の奥に、大きな倉庫を造っていると案内していただきました。「半分はビールの倉庫です。こちら半分は、従業員とバーベキューで楽しむ場所です。ここは素敵な空間にしたいよね!」とあっこさんが政和さんに声をかけます。

    車で稼ぎ、趣味は二人ともやっぱり車。「私たち,本当に似た者同士なんです。ほとんど一緒に過ごしています。頑張ります!」とキレのいいあっこさん。三浦はメロン・すいか・かぼちゃ・トマトなど、果物や野菜が豊かなところです。さあ、間もなくあっこさんの元気な「フルーツ便」がさわやかな三浦半島から各地に向け走ります。

  • コロナで減収 国保減免みんなで活用
    「こんな高い国保税払えない」相模原民商

    相模原民商は、「国保税は前年の所得にもとづいて計算されるので、今年の収入が落ち込めば払えなくなりますね。国保税額の決定通所は確認しましたか?」と会員に声をかけ、減免を呼びかけています。「金額を見て愕然!」「どうやって払えばいいのか」と悲鳴が上がっています。

    先ごろ「新型コロナ減免」が創設され、相模原の場合は“主たる生計維持者(世帯で最も収入がある人)”の収入が1カ月でも昨年比3割になっていれば減免となり、個人事業主の場合は売り上げで判断されます。6月24日に開いた国保減免学習会には、昼の部6人、夜の部2人が参加し、それぞれ減免申請書を作成しました。コロナ減免は介護保険にも適用されるので、該当者は介護保険料減免申請書も作成しました。

    参加した大沢支部のNさん(大工)は、「資材が入らず仕事ができなかった。感染症を心配するお客さんからも来ないでくれと敬遠されている」と新型コロナの影響で売り上げが減少していると話します。「国保税は高いよね。言いたいことは山ほど!人の命よりお金が大事な世の中になっている。税金のために働かされているようだ。もともと税金は、人を幸せにするためのものじゃないの?収入がたくさんある人から税金はとるべき。世の中おかしい!」と不満が爆発。「偉い人やそのお友達は何をやってもお咎めなく、俺らは現場の前に少し車を止めただけで駐禁だよ」と政治に対する怒りをあらわにします。

    相模原民商は、市国保課との対市交渉を1998年から続けています。市の職員が民商に来て、高すぎる保険税引き下げや減免制度の拡充などさまざまな要望を伝え、超過差し押さえなどの不当な事例には抗議し、納付困難な仲間が放置されないよう集団減免申請に取り組んでいます。

    今年は感染防止のために、民商三役・婦人部長・事務局で人数をしぼり、7月3日の交渉の際に、減免申請をまとめて提出する予定です。

  • 全額免除で胸なでおろし 厚木民商

    今年度の国保料の納付通知が届き始め、「え、今年もこんなにたくさん納めなくてはならないのか」と頭を抱えてしまいます。新型コロナ感染症対策で政府は、3割以上の収入減少となる世帯の国保料を減額・免除する制度を創設したことで、厚木民商では学習しながら申請書を作る集まりを呼びかけ、みんなで活用しようと声かけ合っています。

    6月17日、会場の公民館には16人が集まりました。厚木市の「国民健康保険料の減免措置について」の要綱を婦人部役員の目黒さんが読み上げ、事務局が説明を加え、みんなで少しずつ理解を深めていきます。説明が終わり参加者は要綱に沿って、用意された書き込み用紙に売り上げを月ごとに書き入れ、売上比較表を作成。

    事業収入が減少の場合、前年所得により減免割合は5段階となっており、300万円以下は全額免除で400万円以下80%、550万円以下60%、750万円以下40%、1000万円以下20%の減額です。今年の売り上げで最も低かった月を前年同月と比較し、どの割合いとなるのかを算定します。減免の割合が出たら、世帯の保険料額、主な生計維持者の前年所得合計額、世帯全部の合計所得額を計算式で出し、減免額が出てきます。

    参加した齋藤さん(建設)は、「資材の仕入れがストップし、仕事が激減。途方に暮れていたがおよそ40万円が今の計算で全額免除になる見通しで、本当にほっとしています。この後、持続化給付金の申請をして、何とか商売頑張ります」と晴れやかな表情になりました。

    23日には、会員と事務局4人で国保課に申請書類を提出しました。そのうち2人は、介護保険料減免申請書を合わせて提出しました。

    厚木民商はこの後も学習書き込み会を予定し、集団申請を呼びかけています。

  • 県感染拡大防止協力金 一刻も早く!と県に要請

    いったい、いつになったら支給されるのか―。5月下旬、2回にわたり神商連は県に対し、協力金の支給実務を改善する緊急要請を行いました。

    仕事の合間を縫って参加した恩田正一さん(横浜東民商・中華屋)は、「売上と年金で何とか食べている。休業していても食材の管理や消毒対策で細心の対策をしている。給付が遅れると生活が圧迫される。努力している職員の方々に時間をとらせて悪いが、対応を速めてほしい」と訴えました。

    5月25日時点で31000件の申請があり3000件に交付。1500件保留で9000件が未着手、17500件が確認作業中。職員と委託業者合わせて235人の体制で1日の振込件数は500件という説明に、「現申請数の処理だけで53日かかる。申請者の疑問の解決と手続きが一体になっていない」と指摘。Web申請のみから一部対面申請を取り入れた体制強化を求めました。また、休業期間証明の簡素化について要請しました。

    県は、「給付の遅れで、月末の資金繰りに応えられていない事は自覚している。体制強化、申請の確認作業をスピードアップさせる対策を準備している。申請から2〜3週間を目標にする」と回答しました。

  • ふいごとそろばん 横浜東民商 萬納昭一郎さん

    人生は半額なりという言葉をご存じでしょうか。私の子どもの頃は、寿命は40歳ぐらいでした。60歳ほどで亡くなると、ずいぶん長生きしたね、と言われたものです。太平洋戦争の最中に、特攻隊に志願して20代で戦死されたので、人生は半額だと自らも周りの人も言っていたのだと思います

    ▼平和であればこそ商売や民商運動のことなど自由に話し合うことができます。民商では大学でも習えないことを実践的に学ぶことができます

    ▼どんな団体でも、会員の幸せと地位の向上を願って活動しておりますが、労働者や農民を含めてあらゆる階層の方々と協力し合って実現しようとしているのは、商工業者の団体では、おそらく民商だけではないでしょうか

    ▼かつて、税務調査を受けている会員に立ち会って勇気づけるとか、下請けしている親会社の倒産による債権者会議に応援に行くとか、知り合いの青色申告会の会員に話をしたら、民商はそんなことまでするのかと、びっくりしていました

    ▼民商は零細な商工業者の学校という一面があります。学校ならば月謝が必要です。会費を払って、民商という学校で商工業者に必要な、経営、自主計算・自主申告の面で多いに勉強しようではありませんか。

7つのまちがいさがし

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