【神商連しんぶん2020年12月号】
  • 中小業者の要求を県へ―県民連絡会対県交渉―
    コロナ支援を強めて 産業分野

    民商・神商連も参加する県民連絡会の産業分野に関する対県交渉が11月12日午前に開港記念会館でおこなわれ、9民商から13人、他団体も含めて18人が参加し、県側から13人が対応しました。

    交渉団を代表し、神商連の富塚昇会長は、「商工リサーチは8・8%の中小企業がコロナ禍で廃業を考えていると発表している。すべての中小業者が商売を続けられるよう、県は対策を取ってほしい」とあいさつしました。

    神商連は、「コロナの影響で歯科技工士が激減し、歯科医療も崩壊に近づいている」「クリーニング業で5月の連休を全休したのは54年間の営業ではじめて。仕事がまったくない」など、全商連が行っている営業動向調査の声を紹介し、「多くの業者は年を越せるか不安を抱えている。ウイズコロナやアフターコロナだけではなく、そうした人たちを支援する第2弾も含めて、検討してほしい」と訴えました。

    これに対し、産業労働局の八尋有造企画調整担当課長は「業者が年を越せるよう直接支援も含めて検討する」と回答しました。また制度の申請が中小業者にとって難しいという声に対し、「使われてこその制度なので、改善に努力する」と担当者が答えました。

    住宅リフォーム助成制度について、県内でも実施されているが「財政規模が小さく、経済対策になっていない。高崎市のように支援の規模のけたを変えてほしい」との訴えに、「経済対策ならば県土整備と産業労働と合同で検討しなくてはならない」と答えました。

  • 56条人権守る視点で 女性分野

    11月10日、県民連絡会による「女性分野」の交渉が行われ、神婦協から目黒千惠美会長はじめ、3人が参加しました。

    神婦協の、「神奈川県は56条問題に関する国連の勧告をどのようにとらえているか」という質問に対し、「かながわ男女共同参画プランに基づき進めている。県議会で請願不採択であり、議会に考慮し、現段階では国に対する働きかけは困難」との回答でした。神婦協はこれに対し、@男女共同参画推進プランにある「商工会や商工会議所が行う女性の活躍に対する支援等」だけで県内の業者婦人の支援策になるかA小規模家族経営を支える女性の実態を把握する調査をすべきB国連の勧告の内容と問題を、男女共同参画課は人権・差別の問題ととらえているか、の3点で再質問を行い、回答を求めました。

    男女共同参画課は、「プランは56条につながらない。県議会のコントロール下にある問題であり、法律に異議を唱えるのは難しい。56条は脱税防止などの観点からできているとのこと。こちらでできることはあまりない。実態調査の実施は所管が違う」などと答えました。目黒会長は、「男女共同参画課は、業者婦人への人権問題ととらえてあたることが重要で、回答はまったく不十分。男女平等の視点からもあまりにも希薄な回答であり、引き続き理解を深めてほしい」と強く迫りました。

  • 自主申告を商売の力に!税金相談員養成対策会議

    神商連は11月18日、「自主計算推進!税金相談員養成対策会議」を開催しました。三浦謙一事務局長が、「憲法の国民主権を行使する申告納税制度と、自らの経営と暮らしの対策となる自主計算の意義を確認しよう。たたかいの中から作り上げてきた申告納税制度について深め、今後の運動の力にしていこう」と自主計算パンフの「経営と権利を守る4つの魅力」などに触れながら、この対策会議のねらいを話しました。

    大和民商の小林あけみ事務局長が、「集まって学習し、教え合うことで親しくなり連帯感が生まれる。e-Taxなどの導入で自主計算活動の意義が薄らぐ可能性も心配されるので、学習をいっそう大事にしたい」と、民商で活用している資料を示し実践報告しました。

    参加者からは、「学習を呼びかける余裕はない。参加者は自分の税金はいくらになるか!に終始」と役員としての悩みが出され、「全商連の『基本方向』などから自主計算・自主申告の意義が明確になり、学習・実践の繰り返しの中から会員は商売を守る力をつけてきた」と討議が深まりました。

    「コロナ関連制度活用で日ごろの自主計算の大事さを実感した。婦人部で自主計算パンフを読み合わせれば、新しい気づきや怒りで盛り上がる」「商売を数字でつかめば自信をもって単価交渉もできる」「不利にならない申告を一緒に考える関係性がいい」などと意見交換しました。

    三浦事務局長は、「民商全体で自主計算活動を考え、どう進めるか話し合い、学び共有しながら、春の運動に向かっていこう」と呼びかけました。

  • 商売・くらし 助け合って―新会員歓迎会― 厚木民商

    厚木民商第5支部は11月10日、新会員歓迎会を開きました。第5支部ではこの間7人の入会があり、この日は3回目の歓迎会で、青年業者の長澤さん(外壁工事)を迎えました。

    集金タイムの後、梶原支部長が、「どんな困りごとも民商を頼って相談してください」と歓迎のあいさつをしました。手作り料理やお茶菓子など心づくしが並び、和やかです。食事の合間に梶原支部長は、民商常任理事会の報告をしました。「白色申告の収支内訳書は義務であっても罰則はなく強制されない。税務署から通知が来てもびくびくしないで大丈夫」と税務署交渉の報告や、日本政府に対する国連の核兵器禁止条約の署名・批准を求める署名、各種相談会の日程や税金相談員の学習会、集団検診やインフルエンザ予防接種の呼びかけなどがあり、民商の取り組みの紹介にもなりました。

    報告の後は全員が自己紹介。11人の参加者のうち、長澤さんと同業の外壁工事が3人もいてびっくりです。クレーンの運転手、機械加工、電気工事、水道屋、大工など、みんなで力を合わせれば、なんでもできそうだ!と話に花が咲きました。

    民商の下谷清人会長も、「仲間どうし、お互いの仕事で声をかけ合い、助け合おう」と呼びかけました。

    会話の中から、コロナ給付金など、各種申請未了が浮き彫りになりました。国の家賃給付と国保減免に挑戦している人、申請全般に挑戦している人、オリンピック延期で仕事がなくなり、持続化給付金の申請を決意した人など、状況を出しあい、民商のコロナ相談会に参加し、もれのない申請をみんなでしようと話し合いました。気心知れた会員のつながりを実感する時間になりました。

  • 一人も取り残さない活動を!神婦協第58回定期総会

    神商連婦人部協議会は11月15日、第58回定期総会を開催しました。コロナ禍の影響から午後の2時間半の議事としました。

    目黒千惠美会長は「この1年、コロナで大変ななか、励まし合って制度活用に力を合わせてきました。民商の中で婦人部の声かけ活動が大きな役割となっています。苦難を乗り切っていきましょう」とあいさつしました。畑野君枝衆議院議員(日本共産党)が国会情勢にもふれ来賓あいさつをしました。

    活動報告と総会方針提案に続き、4人が代表発言しました。総会方針案・まとめ報告・決算予算案は、すべて満場一致で採択されました。

    運動の表彰を行い、提案された新役員が承認され、団結して進もうと心ひとつに閉会しました。

    《新三役》
    会 長  目黒千惠美
    副会長  本間かず子
         熊沢朋子
         小川さおり
         会 計  内藤登喜子
         事務局長 小林淳子

  • 商売・人生を語る 木工・品質・理論 ようこそ「からくり箱」の世界へ
    小田原民商【からくり箱職人】岩原 宏志さん
    小田原市萩窪1855-1

    木目が効いた箱の中に緻密な計算と技がびっしり詰まった岩原さんのからくり箱。懐かしい響きがする「からくり箱」は、箱根の小田原地域で作られてきた伝統工芸品の「秘密箱」をもとにして、岩原さんらものづくり職人がそれぞれのアイデアで創作する仕掛けのある箱です。

    岩原さんの作品は、10〜15センチの大きさが主で、シンプルな立法体から、風車、星形、アンティークなラジオや家具、三色団子、寿司、ケーキ、パイナップルなど、見た目の形だけでも驚きです。

    0.1ミリ単位の高い精密さが求められる仕事。デザイン、設計から、その通りに仕掛けが動くか試作を重ね、木材の切り出し、乾燥と進みます。設計図をもとに神経を集中させた手作業が続きます。組み立てが終わればその形も芸術的な外観の塗装など仕上げに入り、入念なチェックをおこない、いよいよ、お客さんの手元に届けられます。

    木材のみで創作されてきた時代を経て、今は金具やプラスチックなどの素材も効果的に使用し、より精密な動かし方や、からくりの一部が見えるように、などと変化を遂げています。

    からくりの動きは2進法、3進法という難しい聞こえがする概念ですが、2進法は「閉まっている」「開いている」、3進法は「半分開いている」が加わります。久しく遠のいていた数学を思い出させられた一方で、わくわくする遊びの世界が広がります。

    岩原さんは大学卒業後、長野県の職業訓練校で木工を学びます。家具職人や宮大工、酒造りの杜氏など、将来を模索し苦しんでいた中、「目からうろこでした」と振り返り、のちに親方となる亀井明夫氏に出会います。1999年に「からくり細工」の世界に入り、地域の職人でつくる「からくり創作研究会」で情報交換や普及活動を続けています。

    百貨店の催事や地域のワークショップなど、技術や作品を紹介する活動にも力を注いできましたが、今はインターネットなど新しいツールで国内はもとより世界の国々につながり外国からの注文も数多くあります。

    岩原さんは、324工程のからくりを解く手を動かしながら、「一つ一つの作品に物語があり、多くの人に感動してもらえれば」と話します。

  • ふいごとそろばん 川崎中央民商 西馬場 学さん

    私の仕事は型枠大工です。幸か不幸か、現場はふきっさらしのため、コロナの心配はないので、仕事は止まることはありません。ただ、ふきっさらし状態ということは、夏に熱したフライパンの上で、冬は冷蔵庫の中で仕事をしているようなもので、50代に入った身には正直こたえます。雨の日の仕事も大変で、1日の仕事が終わるとくたくたになり、家に着くのがやっとです

    ▼幸い、仕事が続いています。でもそれは廃業などで職人が少なくなったからで、受注件数は減少気味です。建設の現場では、オリンピックが過ぎたらどうなるかわからないと言われていました。オリンピックが1年延びたので、今はいいですが、来年の秋以降は本当にどうなるか心配です

    ▼それに加えて、3年後の2023年10月には消費税のインボイスが完全実施されようとしています。実施されると私のような仕事は切られるか、課税業者を選択して仕事を続けるかの選択に迫られます

    ▼最良の方法は、消費税を廃止に追い込むことです。現場には私と同じような立場の職人が大勢います。今までにも商工新聞を購読してもらったこともあります。秋から春にかけて消費税廃止のために仕事仲間に声をかけていきます。

7つのまちがいさがし

民商紹介ムービー

県下民商のホームページ