【神商連しんぶん2021年10月号】
  • インボイス実施で業者は廃業の危機・・・あわてないで!登録申請! 大和民商

    2023年10月からインボイス(適格請求書)制度が実施される予定で、今年の10月1日から登録申請が開始となります。免税業者が取引きから排除される事態にもつながりかねない、などという情報に、県内の民商では、その制度の内容と、中小業者に及ぶ影響などについて知る学習会が開かれています。

    大和民商が9月19日に開催した学習会には軽貨物や大工、看板屋、不動産賃貸業など15人が参加しました。

    税金対策部員の羽根孝充さんが「どんな制度なのか理解できてないと、必要な対策や、民商・全商連の方針の通り反対することもできない。みんなでしっかり学習しましょう」とあいさつ。ついで、小林あけみ事務局長が資料を示しながら、「制度が導入されると消費税課税業者が消費税を納める際、税務署から附番された登録番号が記載されたインボイスがなければ、仕入れ税額の控除が認められなくなる。このことで、免税業者は課税業者となり、新たな消費税負担を強いられるか、インボイスを発行できずに取引きから排除されるなど、厳しい選択が迫られます」と説明しました。

    参加者は話を聞き、制度に対する疑問点や、自分の商売にどう影響するかなどを出し合いました。大工の会員は、「うちあたりは親会社に言われたら、言う通りにしないと、取引きを切られてしまう」と不安を隠せません。他の参加者も、「この学習会の目的がよく分からず参加したが、事務局長の話から民商はインボイス制度に反対していると知り、安心した。よく知っていないと、反対もできないと再認識した」と話しました。ある役員は、「インボイス制度を学習すると、消費税そのものがいかに問題ある税制なのか、改めて浮き彫りになる」と発言し、理解を深め合いました。

     

    関係ない業者はいない!よく学び考えて

     

    小林事務局長は、「消費税がどのように使われているか知り考える必要がある。消費税増税と同時に法人税が減税されている。得をしているのは大儲けしている大企業ばかり。インボイス導入で500万の中小業者のうち160万社余りが取引きから排除される可能性がある。消費税課税業者になると平均で1社あたり15万円程度の税負担が増えるという試算も出ている」と説明し、「国税庁は今年の10月1日から登録できると強調しているが、一度登録すれば自動的に課税業者となるので注意が必要。原則2023年3月末までに登録すれば制度には間に合うので、状況をよく考えて申請を検討しましょう」と呼びかけました。

    参加者は消費税がもつ不公平性、インボイス制度が小規模事業者の暮らしと営業を奪いかねない可能性があることなどを理解しました。インボイス反対と同時に、消費税そのものを廃止する運動が求められている、と確認し合いました。

  • 私の納税額は10倍に!ドライバーから仕事奪うインボイス
    ―学習会に参加した高橋稔さんの話し―

    茅ヶ崎で軽貨物業を始めて25年ほどです。最初は1人で始めて、やがて1人2人と受け皿を広げ、多い時で30人ぐらいでした。取引している外注のドライバーさんとは人間関係を重視し、長い間、いい関係で仲間としてつながっています。ただ、私自身もそうですが高齢でだんだん仕事ができなくなってやめていき、今は15台ぐらいのドライバーさんに仕事をしてもらっています。

    今度始まる、インボイス制度は自分も分からないので、今日は学習会に参加し、勉強させてもらっています。制度が商売にどう影響するか完全に分かってないです。自分はすでに消費税課税業者ですので、インボイス登録も何ら問題ないのですが、依頼している外注のドライバーたちにとっては、かなり負担が大きいんです。彼らが課税事業者にならないと、外注費の1・5人分は消費税として私が納めることに。今の10倍近くの納税額で、「これではやっていけない!」と、みんなにはインボイス登録をお願いしたいのですが…。

    年齢的にも長くは頑張れない、という人たちがほとんど。年金もらいながら、あと少し働けばいいという人たちがほとんどです。そういう人たちに、インボイスを勧めるのは心苦しいです。みんなにはまだ内容は話してないですが、分かればおそらく仕事から手を引こう、と思うでしょう。かと言って、若くてどんどん仕事ができる人たちに声かけしても、考え方や仕事のやり方に対するギャップが大きいです。今いるドライバーが手を引いたら、それに代わる人はいないと、お客さんには伝えています。

    ネット通販などは人手不足で若い人たちが多く働いていますが、みんなインボイスを理解しているか心配です。内容を把握した時点で、「あー、それじゃあなー…」と思うでしょう。そうなれば、ドライバーが本当に足りなくなり、業界そのものが心配です。

  • みんなの健康は共済会が守ります!待たれていた集団検診! 川崎中原民商

    川崎中原民商は9月26日に集団検診を行い、約50人が参加しました。商工新聞折込チラシで2回案内し、さらに電話などで呼びかけました。都合で参加できない人は、平日に個別に受けられるよう、診療所が協力してくれます。

    風呂釜設置業の小田さんは毎年受け、健康を守ってきました。昨年、転倒してしまい歩行が不自由になり、この日は息子さんが送迎してくれました。「皆さんに段取りしてもらい、本当に助かります」と無事に全メニューを終え、笑顔で帰りました。

    吉成みつ子共済会理事長は、「おさそいに努力していますが、未検診の人を残しており、もうひと頑張りです。バス旅行も楽しみに待たれています。声かけを大事に皆さんの健康を守ります」と抱負を語っています。

  • 3つのチェンジで川崎を変える!【川崎市長選 10/24投票】

    10月24日投票予定(10日告示)で行われる川崎市長選挙で、神商連と川崎市内5民商は、立候補を表明している市古博一さんを支援します。

    5民商も参加する「川崎民主市政をつくる会」は7月8日、記者会見を開きました。市古さんは「本当に困っている人に手が差し伸べられれていない」とし、「3つのチェンジ」と8大政策を発表しました。

    商店街の店が次々と姿を消す中、川崎市はコロナ感染の影響で売り上げを減らしている業者への支援金を昨年早々に打ち切りました。民商が長年にわたり要望しているリフォーム助成制度などの実現で、地域の業者の暮らし・営業を守る市政への転換をと期待が高まっています。

    チェンジ1
    命と健康を守る
    医療の充実を

    チェンジ2
    大企業優先から
    暮らし福祉優先に

    チェンジ3
    市民の声を
    聞く市政に

  • 商売・人生を語る
    「子どもたちの幸せのために語学はコミュニケーション力」
    横浜東民商 今井 宏美さん
    横浜市神奈川区松本町2-13-6-601 電話:045-323-2543

    今井宏美さんは、横浜で生まれ育った、生粋の「はまっ子」です。子どもの頃、お父さんはニューグランドホテルで写真館を開き、石川町にもスタジオを持っていました。山下町から元町・山手・本牧、当時のエキゾチックな街の雰囲気や、外国客が行き交う老舗のホテルの風情は、幼いころからずっと胸に刻まれています。

    山手教会の幼稚園で育ち、小・中・高校と12年間、カソリック系の女子校に学びました。その校風も、英語教育者という将来の進路を決めていく源となりました。

    「児童英語教育の会社に勤め、7年間ほど幼稚園児から中学生を対象に英語の指導に当たりました。私は子ども好きで、夢は学校をつくること」と話す今井さんは、子どもたちの可能性を引き出し導く仕事に生きがいを感じていました。

    結婚し、子育てをしながら自宅で英語教室を始め、多くの子どもたちと一緒に自らも英語の世界を探求していきました。同じ環境で学んでいても、語学には得手不得手があります。やがて、“聞こえてくる音しか再生できない”という「トマティスメソッド」理論に出会います。機器を使用し耳のトレーニングで聴く力を調整し、コミュニケーション力の改善を目指すものです。この理論は、語学教育だけでなく、発達障害を抱える人たちの症状の改善にも役立つことなどを学び、コンサルタントの資格を取得し、「トマティス横浜センター」を設立しました。

    弁護士や通訳、飛行機の客室乗務員など、英語力をつけたい専門職の他、メンタルで悩む人、発達障害者など、多様な受講生に向き合ってきました。

    現在は、トマティス英会話教室のほかに、横浜市内の幼稚園で英語指導、企業からの依頼でビジネスクラスなど、多彩に行動する日々です。「コミュニケーションで重要なのは“音”。長年、心を込めて英語を教えてきましたが、科学的な視野で聴覚を磨き、みなさんをサポートしたいです」と語る今井さん。ネット社会の中でコミュニケーションが求められるこの時代、今井さんは「子どもたちがどうしたら幸せになれるのか」を模索しながら、走り続けています。

  • ふいごとそろばん 平塚民商 高橋 朗さん

    私の仕事は発電機のメンテナンスです。父親の仕事を継いだ2代目です。発電機などの修理や保守点検、取扱い説明など、現場作業も多く、いろいろなところに訪問しています

    ▼特別なところも多く、普段は入れないようなところにも入って仕事をしています。自衛隊基地、米軍基地また羽田空港のD滑走路の建設工事で船に乗り、羽田沖にも行きました

    ▼今でも丹沢山の山小屋には登っています。最近、熱海の崩落現場の最上部に行きました。その大きさに驚きました

    ▼私と民商の始まりは、青年部に入部し県青年部の役員に、それから平塚民商の支部長になり副会長に、そして会長になりました。現在は県連三役を務めています

    ▼いま、平塚民商はインボイス制度の学習に頑張っています。業者でもなかなか理解が難しい制度です。まずは会員に知らせ、学習会に参加を呼びかけています。インボイス制度廃止に向けて、会員や会員以外の人にも広げ、運動を盛り上げ、廃止に向けて頑張りましょう。

7つのまちがいさがし

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