【神商連しんぶん2022年12月号】
  • 県の責任で物価高騰対策を!―県民連絡会による県交渉に参加―

    神商連も加盟する神奈川県民連絡会は県内で活動する団体・地域による分野別の対県交渉を例年おこなっています。今年は11の分野で11月8日から21日までの期間で取り組まれました。神商連はコロナ感染拡大や物価高騰による影響の実態を伝え、営業や暮らしを守る要望を訴えました。

     

    《産業分野》11月8日

    制度融資の完納要件はずした行政手続き、窓口でも対応する

     

    産業分野の交渉は波止場会館でおこなわれ、9民商と県連などから16人が参加しました。物価高騰対策への直接支援など切実な要求の実現を目指して交渉。県側は産業労働局総務室グループリーダーなど13人が出席しました。

    最初に、団長の富塚昇神商連会長が「物価高騰で廃業や会社の解散の相談が増えている。地域経済を活性化させるため、中小業者に直接支援をお願いしたい」とあいさつ(写真)。その後、31項目の要求に沿って交渉しました。

    物価高騰対策では「月7〜8万円の電気代が15万円前後になっている。直接支援を求めている」の切実な声に対し、県の担当者は「重要な問題と認識しているが、県予算では厳しい」と国からの交付金頼みの姿勢を示しました。また、国保の事業主に対する傷病手当も相模原市が見舞金で対応した事例も出し、支援を求めると「国に要請する」と回答。協力金への事業税の課税をやめる、インボイスの実施中止を国に求める要求には「できない」と背を向けました。

    経営支援と生活支援を一緒に相談できる窓口の創設については「検討する」と約束し、制度融資の税金の完納要件には「コロナ禍以降外した」と回答しました。多くの自治体は「税金を滞納していると対応しない」としていましたが、その根拠が崩れる成果となるものです。デジタル化の流れの中で行政手続きを従来通り「窓口でも対応する」と約束しました。

     

    《行財政・民主主義》11月18日

    社会保障を口実にするな

     

    消費税の減税と富裕層や大企業への課税強化でおこなう財源措置を国に求める要求に対して県は「社会保障の安定財源」を理由に「消費税は必要」と回答しました。「社会保障のためと言うが消費税は目的税ではないので、所得税、法人税で賄うことも可能。消費税収が相対的に変わらないのは人件費にかかる税金であり、雇用を破壊する税金であり、社会保障に逆行する」と指摘しましたが、回答は前のものをなぞるだけでした。

     

    《女性分野》11月17日

    56条に対する県の考え明確に

     

    参加団体からそれぞれの要望を上げる中、神婦協は、「配偶者や家族従業者の働き分を経費に認めない所得税法第56条は国連からの勧告も受けている。その内容を人権問題と認識するか見解を示すこと」の要望で3人が参加しました。

    県は、「56条は国民(国会)の合意を得た法律である事。県議会では,同規定の廃止にかかる請願が不採択となっており、議会の意向は十分に考慮に入れなければならないなどの理由で、現段階では法の見直しなどを国へ働き掛けるのは困難」という趣旨の回答をしました。

    これに対し、神婦協は、「県内の地域経済を支えている自営業者を守る立場で、県としての姿勢をしっかり示し、議会と協力すべき。県の考え方は議会に与える影響もある」と迫りました。県は、「56条は家父長制度がもとにある古い制度。皆さんのご意見はわかりました」としました。

     

    《保健・医療》11月15日

    国保傷病手当の拡充を

     

    保健医療分野に関する対県交渉では国保問題に関して要請しました。主に保険料の滞納整理問題と傷病手当について交渉が行われました。滞納整理問題に関しては、運送業者に対する差し押さえの事例を示し、困難を抱える中小業者・県民に寄り添った対応を行うよう要請しました。また、国保の傷病手当に関しては、相模原市にならい、地方創生交付金なども活用して、県下の市町村が同手当を創設するよう働きかけてもらいたいと要請しました。県側は、出された要望が生かされるよう検討したいと回答しました。

  • 物価高騰対策!復活支援金再開・消費税減税・インボイス中止を!
    横浜個人タクシー協同組合と懇談

    神商連も参加する「平和で明るい県政をつくる会」は11月10日、物価高騰対策で業者団体を訪問。横浜個人タクシー協同組合では、駅ロータリーからの免税事業者の排除の問題で「独禁法違反の恐れがある」という国交省の回答を商工新聞で紹介。インボイスを理由にしたこのような動きに、「JR西日本ではそういう動きがあることを知っているが、JR東日本で排除する動きはない」とのこと。インボイスへの対応では「組合としては登録を進めている。廃業が20社程度出るだろう」と話しました。

    登録を進める背景には「タクシー料金が認可制であるので、益税があると言われやすく、法人のチケット利用の関係でインボイス登録は必要。登録の有無は車の上の行灯で示す」と話しました。物価高騰、コロナ対応では「燃料費の補助は県や市から受けているが足りない。コロナ禍は給付金や支援金でしのいできたが、不足分は借金。コロナは天災だから、借金は棒引きにしてもいい。法人のタクシー会社は雇用調整助成金対応なので、今、走っている台数は少なく、個人タクシー売上はコロナ前の9割に戻ったが、法人が動き出せば、お客は減る」と話しました。消費税は「5%以降、景気が落ち込み20年以上経つ。消費税は減税すべき。大企業の内部留保に回り、福祉にも使われていない。インボイスの中止も求めている」と私たちと意見はすべて一致しました。

  • 業者婦人の地位向上を! 神婦協第60回定期総会

    神商連婦人部協議会は11月6日、第60回定期総会を開催しました。

    目黒千惠美会長は、「物価高騰の影響に対応するため、励まし合って行動しましょう。誰ひとり取り残さない運動に力を合わせましょう」とあいさつ。神商連の富塚昇会長、君島ちか子県議が来賓あいさつしました。

    茅ヶ崎民商婦人部の星川ゆり子事務局長は「全婦協定期総会で会員比8割表彰とインボイス学習」、平塚民商婦人部の柴田冨美子理事は「会員9割を維持する仲間増やし」、厚木民商婦人部の島村節子常任理事は「給付金・協力金への課税問題を告発し国保減免を広げる運動」などのテーマで代表発言しました。

    提案した方針・決算予算・役員選出の提案は満場一致で承認されました。

    《新三役》
    会   長  目黒 千惠美
    副 会 長  本間 かず子
    副 会 長  熊沢 朋子
    副 会 長  日野 眞智子
    副 会 長  茂木 節子
    会   計  内藤 登喜子
    事務局長代理 小林 淳子

  • 全国の若い仲間とつながろう! 全青協第47回定期総会

    11月20日、全青協は第47回の定期総会を開催しました。神青協は、10月に開催された全国業者青年交流会に参加した厚木民商青年部員の三浦貴光さん(サイディング)が代議員としてオンラインで出席し、新幹事となりました。

    全青協の佐々木亮議長は、「全青協は業者青年の要求実現の運動をめざすとともに、出会いの場です。この1年、仲間としてしっかりつながっていこう」と全国の参加者に呼びかけました。

  • 商売人生を語る「対面の良さが醍醐味!美味しかった!の声を聞きたくて」
    横浜緑民商 (株)築地前田水産鮪人 前田 敏明さん
    横浜市青葉区すすき野3丁目8番地25

    前田敏明さんの商売は鮪(まぐろ)の催事販売です。契約しているスーパーのコーナーを借りて鮪の刺身をパッキングし販売します。

    個人事業で確定申告していたお父さんが7年前消費税課税業者になり、「とても一人ではできない」と民商に入会しました。その後、息子の敏明さんが代表となり法人を設立し、5期目の決算を迎えます。

     

    食卓においしい魚を届けたい

     

    お父さんと鮪販売を始める前は佐賀県で干物屋に勤めていた敏明さん。乱獲や環境変化による漁獲量の減少、魚が獲れないから船員も減少、ますます漁獲量が減る悪循環。そのために相場は上がり、消費量が減少…。昨今、よく耳にする「魚離れ」を現場で実感してきたと言います。日本の食卓から美味しい魚をなくしたくない―。干物屋で働き得た思いが、いまも仕事の根底を貫いています。

    コロナ禍は前田さんの商売にも多大な影響を及ぼしました。試食がまったくできなくなり、売り上げは激減。そういえば、コロナウイルス感染症の流行とともに、どこのスーパーでも試食販売を見かけなくなりずいぶん経ちます。催事販売の良さは対面の良さ。祖父母の世代のお客さんに「美味しかったよ」と声をかけられるとき、この仕事で良かった!と感じると言います。

    課題は世代継承。お父さんが事業主の頃の従業員は、みな70代となりました。「これから5年ぐらいでいろいろ引き継いでいくのでしょうね」と話します。

     

    息子の成長が張り合い

     

    前田さんは夫婦そろって横浜ベイスターズのファンです。2歳の息子の正明くんがまだ小さいのでもっぱらテレビ観戦で応援。お出かけは子ども中心で動物園や水族館です。「何に興味を持つかですが、いろいろ体験させてやりたいです」と優しいお父さんの顔がのぞきます。親子3人で横浜スタジアムに向かう日も遠くないでしょう。大きな声で声援を送れる日が早く訪れますように。

    (横浜緑民商ニュースより)

  • ふいごとそろばん 平塚民商 日野 眞智子さん

    飲食店を一緒にやっていた夫が今年の夏に不注意から転倒し、生死を危ぶむ程の大けがを負ってしまいました

    ▼もう、商売どころではありません。毎日でも病院に行きたくとも、コロナ制限があり行けません。ただ待つだけの生活をしばらく続けていました

    ▼自分では平常心で日常生活を送っていたつもりでしたが、一応の治療が終わり療養に入ったとき、周りを見回して気が付きました。家の中が薄汚れていたのです。ちょっと見には分からなかったのですが、台所のシンクは油じみ、風呂場はカビだらけ、あちこち、“まっくろくろすけ”が住み着いていました

    ▼商工新聞の配達、会費の集金などをこなしながら、普通の生活を送っていた自分を褒めてやろうと思っていたくらいでしたが、大間違い

    ▼気が付かないうちにとんでもない失敗をやらかしていたに違いありません。何も言わずに見守っていてくれた民商の仲間に感謝あるのみです

    ▼まだまだ商売のめどはまったく立っていませんが、いざとなったら仲間がいると自分に言い聞かせ、遅ればせながら掃除を再開させたところです

    ▼今年はクリスマスもお正月も一人きりになりそうですが、“そんな時こそ婦人部”の合言葉、「一人ぼっちにさせない!」を心の拠りどころに頑張ります。

7つのまちがいさがし

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