【神商連しんぶん2023年07月号】
  • 神商連第68回定期総会方針
    2023年6月18日 神奈川県商工団体連合会

    民商・神商連は6月18日、横浜市従会館で神商連第68回と同共済会第50回の合同定期総会を開催しました。出席は101人で出席率は75.9%でした。開会にあたり冨塚昇会長は、「岸田政権が進める43兆円の防衛費を賄う増税に対し、進むか下がるかは私たちの力次第。仲間を増やし政治を変えよう」と訴えました。共済会の漆原晃理事長は「共済会の役割を発揮し、会員比9割の組織をめざそう」とあいさつしました。三浦謙一事務局長が常任理事会報告をおこない、山岸勇会計が 決算・予算案を提案しました。18人の発言で、方針を深めました。

    採決では総会方針案、共済会方針案、常任理事会報告、まとめ報告、共済会の決算・予算案が賛成多数で承認され、運動の先頭に立つ新三役を選出しました。鎌田保顧問、畑野君枝前衆議院議員が来賓あいさつし、全商連をはじめ寄せられたメッセージが紹介されました。

     

    1,はじめに

     

    岸田自公政権はロシアのウクライナ侵略を機に、国民に不安をあおり、5年間で43兆円にもなる軍備の拡大を進め、その財源を国民に押し付けています。民商は中小業者が先の大戦で商売をつぶされ、戦争に動員されていった経験から、「平和でこそ、商売繁盛」を合言葉に中小業者の営業とくらしを守り、元気に商売ができるよう活動してきました。4月に行われた統一地方選挙では大増税には反対するものの、軍備の拡大をあおる勢力が支持を広げる状況が生まれていますが、一方で保守的な業者団体の中からも「台湾が有事になれば、中国からの輸入が途絶え、私たちの業界は立ち行かなくなる」と危機感が表明されています。今こそ、「平和でこそ、商売繁盛」の信条で民商が元気に活動し、中小業者の営業とくらしを守る先頭に立つときです。

    こうした情勢の中で開かける第68回総会は役員・会員の高齢化とコロナ禍・物価高騰による困難な状況にも向き合い、私たちが奮闘してこの困難を打開し、展望を切り開くことを意思統一し、先頭に立つ県連役員を選出することを目的に行います。

     

    2,激動する情勢と中小業者の展望

     

    @ 軍備の増強と国民生活・中小業者の営業を壊す岸田政権

     

    岸田自公政権は国民に信を問わず、日本の安全保障政策を「専守防衛」から他国のミサイル発射基地をたたく反撃能力(敵基地攻撃能力)を保有する大転換を実施しています。1発5億円もある米国巡航ミサイル・トマホーク400発など莫大な長射程ミサイルを配備し、他国からの核攻撃を想定し、自衛隊基地約300か所の強靭化工事を行おうとしています。

    中国の台湾をめぐる軍事演習や北朝鮮のミサイル発射に乗じて、「軍事対軍事」をあおっていますが、食料の7割、エネルギーの9割を海外に依存している日本で有事になれば、国民の暮らしと中小業者の営業は成り立ちません。

    43兆円もの軍事費の財源確保に増税や社会保障の削減が狙われ、国立病院機構や地域医療機能推進機構の積立金、「ゼロゼロ融資」の基金残金などの積立金などを転用できる「軍拡財源確保法」の審議が国会で行われています。また、「武器輸出」の円滑化や製造施設の国有化のための措置を盛り込んだ「軍需産業支援法」も成立が狙われています。

    世界的な物価高騰から国民の暮らしを守るため、世界の102の国と地域で日本の消費税にあたる付加価値税の減税が実行されています。しかし、日本では検討すらされていません。それはさらなる増税を狙っているからです。経済同友会代表幹事は少子化対策の財源として消費税を上げています。一般財源に色はついていませんから、「社会保障のため」と言いながら増税し、社会保障費を削減した時と同様に子育て予算を口実に消費税増税を図ろうとしています。インボイス制度の導入は海外の例を見ても消費税率を上げるとき、税率を何段階にもする必要があり、それに対応するには必須です。インボイスの導入は税率引き上げのためであり、インボイスを中止させることは増税を阻止する力になります。

    インボイスの登録件数は3月末で268万件と課税事業者315万件を下回り、登録対象1100万件の25%いう水準です。これは「そもそも制度が複雑でよくわからない」と納税者に理解が広がっていないためです。こうした状況の中で実施が強行されれば混乱が起こることが予想されます。税務相談停止命令制度の創設もインボイスへの対応のように増税が強行されて出てくる疑問や怒りを反対運動に組織されないよう、民商など納税者の権利を守り活動している団体の動きをけん制するものです。個人番号(マイナンバー)の利用範囲を拡大するマイナンバー関連法も省令だけで拡大できるようにし、マイナンバーと銀行口座や健康保険証と結びつけて、国民を管理し税と保険料の徴収を強化しようとしています。

    事の拡大は外国からの攻撃に国民の生命と財産を守るのではなく、政府の手によって、国民の命とくらしを犠牲にするものです。「外交によって、戦争をさせない」声を広げることが求められています。

     

    A 中小業者の実態と営業とくらしを守る展望

     

    コロナ禍に引き続く物価高騰により廃業・法人の解散が広がっています。

    県が実施した(2022・10・7〜11・15)小模企業経営課題等把握事業の結果ではコロナ感染の影響に対し、「受注が減少した」(52・6%)、「仕入れ価格が高騰した」(47・0%)、ウクライナ情勢による円安・物価高騰の影響では「仕入れ価格が上昇した」(65・0%)「燃料費の高騰」(38・0%)と回答し、小規模事業者の経営課題では「日常業務に追われ、時間的余裕がない」(40・2%)と答え、売上の減少や仕入れの高騰に経営規模が小さくなるほど、対応しきれていない状況となっています。帝国データバンク横浜支店によると2022年の休廃業・解散件数は3195件で業績回復や収益基盤の確立が遅れている企業などが会社をたたむ「休廃業」が増加しています。

    知事選挙のとりくみを通して太陽光発電による再生可能エネルギーを活用し、気候危機をストップさせるとりくみや農業と結びつけたソーラーシェアリング、林業と結びつけたバイオマスの利用などで、中小企業・小規模事業者の振興と雇用の拡大を地域から広げ、循環型経済の再生を目指すとりくみを見学・交流しました。そしてこうした実践が多くの地域と若い人々に広がっています。

    インボイス制度の実施延期や物価高騰対策について、中小企業団体中央会に所属する協同組合との懇談では、消費税減税、インボイス制度の実施中止、物価高騰対策での中小業者への直接支援など、民商と共通の要求となっていることを確認しました。

    軍拡大増税の政治が広がる中で、その悪政はすべての国民に影響を与え、それが保守的な業者団体とも共同する可能性を生み出しています。一方、社会保険料の滞納相談では、「自己責任論」の影響で自分の努力だけで解決しようとする相談もあります。

    中小業者の置かれている状況や背景を話し合い、民商を大きくして軍拡大増税を打ち破り、中小業者の経営とくらしを守るとりくみを広げましょう。

     

    3,自主申告運動と経営対策を軸に据えた要求運動を

     

    @ 厳しい環境を生き抜く経営対策を

     

    全商連主催のオンラインを含め、県連・民商で経営対策交流会を開き、物価高騰やコロナ禍を生き抜く経営対策を進めます。こうした取り組みを積み重ね、全国や県の商工交流会に結び付けます。

    班会や会員訪問で出された要求をまとめ、自治体交渉や省庁交渉で実現を迫ります。物価高騰対策として中小業者への直接支援を求めるとともに、営業を守る融資や社会保険料滞納での差し押さえ解除など、必要な交渉を関係機関とおこない、要求解決を進めます。

    記帳や確定申告の作成とともに損益分岐点の計算、補助金の申請に必要な事業計画づくりに結び付く自主計算活動を進めます。

    知事選での県政ウォッチングのとりくみを発展させ、「再エネ、省エネ」と循環型地域経済の再生を求めるとりくみを推進します。

     

    A 申告納税制度を学び、自主計算運動で業者の役割を光らせる

     

    インボイス制度の仕組み、自らの商売にどう影響するかを集まって話し合い、インボイスから商売を守るとともに、「いま書くべきは登録申請書ではなく中止署名」と訴えて、世論を広げます。

    申告納税制度の原則を学び、自主申告運動の意義を話し合う相談活動を旺盛に展開し、自主計算活動を進めます。国会の質問で税務相談停止命令制度の目的を「脱税指南によって不特定多数の者が脱税を行う等の行為を防止すること」に限定させました。同制度を形骸化させ、納税者憲章制定の取り組みに結び付けます。

    消費税廃止各界連絡会をすべての民商が対象となる地域に再建・設立をめざします。保守的な業者団体などにも呼びかけて、消費税ネットの共同の取り組みを広げます。

    倉敷民商弾圧事件で3人の無罪を勝ち取る運動を支え、禰屋裁判の勝利をめざし、公正な判決を求める署名や検察の訴因変更に対する抗議の団体署名、宣伝行動をおこないます。

     

    B 業者が元気に商売できる社会保障の確立を

     

    社会保障推進協議会に結集し、高すぎる国民健康保険料・税を引き下げる共同を強めます。

    少子化対策を社会保険料で賄う動きを背景に、社会保険料の滞納に対する人権を無視した強権的な徴収が広がっています。保険料の引き下げと強権的な徴収の是正を求めていきます。

     

    C 憲法を守り、平和・民主主義の擁護、発展を

     

    憲法共同センターに結集し、軍備の増強に反対し、「改憲阻止」の運動を強化します。横須賀基地の原子力空母母港化、厚木基地のオスプレイの訓練拠点化、ノースドックの米陸軍小型揚陸艇部隊配備を撤回するよう国や県に働きかけます。

    核兵器禁止条約の署名・批准を日本政府に求め、原水禁世界大会、ビキニデー、平和行進に積極的な参加して、とりくみを成功させます。

    国民を医療から遠ざける皆保険制度の大改悪につながる健康保険証とマイナ保険証の切り替えを許さず、マイナンバーカードの利用拡大に反対し、個人情報の自己コントロール権の確立を求める共同を強めます。

    革新懇話会運動に参加し、市民と野党の共同を強めるために奮闘します。

     

    4,「集まって、話し合う」原点に返った組織建設を

     

    @ 到達点と組織建設の課題

     

    総会時点の到達点は読者で5千944人の現勢で昨年5月1日現勢から496人後退しています。増勢となった民商は川崎中原、多摩麻生の2民商です。会員は3千930人で292人の後退です。増勢は川崎中原の1民商です。共済会員は6千001人で、414人の後退。増勢は川崎中原の1民商です。婦人部員は2千404人で135人の後退。川崎中原、茅ケ崎、厚木の3民商です。青年は161人で4人の後退。戸塚、大和の2民商が増勢となっています。

    前進している民商の特徴として@「集まって、話し合う」ことに心がけ、会員の自覚に依拠した取り組みを広げている、A「なぜ、拡大か?」を討議し「目標と計画」を意思統一している、B外に目を向け、要求に基づく自治体交渉と勝ち取った成果を知らせているところで拡大が進んでいる、C役員と事務局員が課題や問題意識を共有し、協力しているところが奮闘しています。

    一方、役員の高齢化や会員の減少で事務局体制が弱くなり、民商が抱えている問題を役員と事務局員が共有できていない民商で、事務局員が決算や労働保険実務に追われ、組織活動が弱まっています。

    2000年前後を境に社会保障が後退し、セーフティーネットが壊され、「自己責任」が求められる新自由主義の政策がすすめられました。格差が広がり、貧困に陥った人が悩みや困難を抱えて孤立する状況が広がりました。こうした社会的状況も踏まえた組織建設が求められています。

     

    A 組織建設のとりくみ

     

    第1は「集まって、話し合い、相談し、助け合って、営業と生活を守る」とりくみの意義を役員と事務局員で話し合い、協力して取り組むことです。若い人の多くが孤立し必死になって生きていこうとしている中、寄り添っていくとりくみが求められています。

    第2は4050(=真ん中世代)対策です。各民商の課題として、民商運動の後継者づくりが上がっています。4050対策とは青年部を卒業し、60才未満の40才代50才代の会員をどう拡大していくかという課題です。

    昨年の総会では60才未満が会員の3分の1を構成していることから、40・50才代の会員を対象にアンケートに取り組みました。インボイスやコロナ禍、物価高騰への要求が出されましたが、不十分な取り組みになりました。民商運動は要求の実現を通して社会的・経済的地位の向上をめざし、活動している団体です。民商の値打ちに触れた会員は若くても民商活動に参加しています。子育てや教育、親の介護などへの不満も含めて、真ん中世代に焦点を当てた要求を掘り起こし、運動として具体化し、後継者対策に結び付けます。

    この世代は貧困と格差を広げる「自己責任論」が広がる中で商売を始めているだけに話し合いを嫌うこともあります。一方、自らの力で打開する意思もあります。それだけに要求解決の相談とともに、民商運動の目的、特に中小業者の社会的経済的地位を正当に評価して向上させることを含めて、民商や商売を語り、自覚を引き出し、運動への参加を促します。

    第3は事務局建設です。現状では事務局活動の中心が会員の収支の計算や申告書の作成、労働保険の実務の相談に乗ることになっています。税制や社会保険料の負担や徴収が強化されている状況下で、制度の枠内での実務の相談では、中小業者の経営とくらしは守れません。必要なことは業者自らが経営を分析し、解決の手立てを明らかにして対策をとること、そして分析に基づき経営環境を改善する取り組みが求められます。こうした要求相談(経営対策)にのれる役員と事務局の体制をつくることが求められています。

    こうしたとりくみを進めるために週1回のブロックごとの事務局員会議をおこないます。

    第4は役員と事務局員の共同した会活動の前進です。具体的には兵庫民商の青年部建設の経験を学び、進めていきます。部員(会員)訪問をして、要求を聞き、その要求に基づいて学習会や交流会などの企画を立てます。その企画をまた部員訪問しながら案内して、参加を呼びかけるとりくみです。兵庫民商ではこのとりくみを通して、青年部員を100人から300人に増やしています。この時に役員の役割と事務局員の役割をきちんととらえて、取り組むことが大事です。事務局員は会員の状況や要求、誰と誰を繋げたら、商売や活動に結び付くかを知っています。一方、役員は業者として会員と同じ立場で話ができます。役員と事務局の役割を踏まえて、協力して要求運動と組織づくりを進めています。

    こうした活動を推進するために「基本方向」「民商・全商連運動の70年」を活用して民商運動の理念や意義を話し合うとともに簿記や経営分析、事業計画づくりなどの学習を進めます。

    第5にSNSを活用した会内での運動の交流と外に向けた宣伝活動です。

    現在、週報・月報・民商ニュースで情報を収集し、県連事務局で検討して、推進ニュースで県連役員に、神商連しんぶんで全会員に民商・神奈川県連での取り組みを紹介しています。このとりくみを、簡素化した週報・月報で集約し、検討する新たに体制(役員・民商事務局員)を作り、SNSやデータなどで民商や会員に紹介する体制に検討・具体化を進めていきます。

     

    B 「減らさず前進」を基本とする拡大運動を

     

    2023年「春の運動」でとりくんだポイント制リレー拡大はすべての民商が組織拡大に挑戦し、昨年は4つの民商が読者・会員の拡大で未成果でしたが、今年は民商を除いて、読者・会員で成果を上げました。また、税務相談停止命令制度を討議し、「とんでもない」と怒りを広げ1会員当たり1・11人分と、短期間で署名が集まりました。

    沖縄県連が組織拡大で前進している教訓は第1に会員との対話を重視し、業者要求と政治についての話し合いが行われ、「平和で豊かな沖縄」をめざすデニー知事の役割や強権的な税務調査に対して「納税者の権利」学習会を開くなどして、会員の自覚を引き出していることです。第2は小法人対策を中小業者の地位向上と結びつけ、税務調査や滞納差し押さえなど、商売を守るとりくみと商売を伸ばしたいという要求を踏まえて、位置付けていることです。また、戸塚民商の教訓では第1に期限を切った読者拡大は原則禁止とする、第2に拡大行動は支部・班で具体化し、拡大したら、組織につける、第3はグループラインを活用した活動の交流です。全国も含めて進んでいる民商の教訓を率直に学び、組織の拡大をめざします。

    拡大の目的は要求を実現さるためです。自営業者の商売と生活を守るためにがんばっている民商が大きくなってこそ、自治体などに要求実現を迫り、業者の権利を守ることができます。

    拡大目標は「減らさず前進」を基本とし、毎月、15日集金の中で退会や購読中止の人数を把握し、後退見込み分を上回る目標を設定して拡大を追及します。昨年5月1日から4月30日の1年間で約1千人の購読中止、500人の退会がありました。毎月増勢を勝ち取るためには毎月会員比で2%の読者と1%の会員を拡大していくことが求められています。民商で討議し、自らの「目標と計画」を立てて、仲間を増やす活動を推進します。

     

    C 県連事務局の体制と民商間の再編・強化の検討について

     

    第68回総会期は2人体制を基本にし、2024年6月に退職する予定者があり、引継ぎの期間が必要なため、早急に事務局員を募集します。そのための財源は1時的なものとして組織援助積立金などを活用します。

    神商連会館の事務所としての貸し出し、太陽光パネルの設置などの検討を始めます。来年の総会に出された結論を踏まえて対応します。

    県連事務局員体制の増員を視野に入れた検討を始め、次期総会で結論を得ます。

    県連の常任理事や理事、民商事務局長を選任できない民商が増えています。すべての民商が地域で「中小業者運動のナショナルセンター」の役割が担えるよう、役員会の選任・運動財政の確立・専従事務局員の育成という「民商設立の3要件」を満たす再編・強化に取り組みます。

     

    D 運動体としての財政強化を

     

    「民商・全商連の財政活動を強めるために」では「民商・全商連の会費は、日本の社会進歩と民主主義の発展に貢献するための活動費としての性格」を持つと指摘しています。また、役員の高齢化で財政部会が機能せず、一方で会費の振り込みや自動引き落としを進める意見が出されています。

    「民商・全商連の財政活動を強めるために」を民商の機関会議で討議し、会費の性格をつかみ、組織集金・組織配達の体制を強化し、財政部会の確立を進めます。

     

    5,コロナ禍で試された全会員参加の共済運動の発展を

     

    「一人はみんなのために、みんなは一人のために」の民商理念を体現する共済会は、仲間同士の結びつきを強め、民商運動を豊かに発展させています。

    民商共済会はこの1年、新型コロナ感染へのお見舞いとして入院見舞金293件と安静加療見舞金164件を県下の仲間に激励を込めて届けてきました。会員からは、「新型コロナ感染でだいぶ落ち込みました。お見舞金を頂き有難うございました。嬉しくて、嬉しくて。共済会に入っていて本当によかった」など、助け合いへの感謝の声が多数寄せられています。また、感染に配慮しなければならない中、1千85人が受診する集団健康診断を取り組んできました。

    中小業者は健康でこそ大好きな商売を続けることができます。全会員が参加する集団健康診断や大腸がん検診、アスベスト検診などの一点検診を推進します。また、婦人部と相談し、乳がんなどの婦人科検診の取り組みを大いに広げます。

    医療制度改悪により、いのちと健康は中小業者の要求となっています。「お元気ですか」といつでも声掛けができるよう、班に共済係・支部に共済役員をつくり、「目配り、気配り、心配り」を会の隅々にまで行き渡らせます。会員加入率90%を目指し、配偶者の方も一緒の同時加入を強めます。

    学習こそ運動の源泉です。すべての民商が「いのちと健康を守る学習」を取り組むようにします。感染に留意しつつ、会員同士の交流を深めるレクリエーションを思い切って進めます。

     

    6,業者婦人の力が発揮される支援強化を

     

    現在、県連常任理事の構成で女性は婦人部協議会からの推薦と事務局常任理事の2人となっています。一方、女性自営業主は全体の26・8%(労働力調査より)を占め、フリーランスの数では女性が男性を上回っています。インボイス制度の登録対象がフリーランスも含めた1千100万人となっていることを考えれば、家族専従者中心の運動から、女性経営者、フリーランスに視野を広げた運動が求められています。婦人部も後継者問題が深刻です。一方、女性事業主やフリーランスに視野を広げれば、新たな可能性が広がります。こうした方向の運動を検討します。

    40・50代の働き盛りの業者婦人の声を集め、活動に反映させます。経営対策、社会的役割を主張する力、要求実現の力、徴税攻勢から経営を守る4つの役割と結びつけた自主記帳の取り組みを援助します。家族一人一人の労働の社会的評価や人権を確立する取り組みに力を合わせて、ジェンダー平等の実現を目指します。

     

    7,業者青年の力が生きる民商建設を

     

    民商の青年部の構成が40才を超え、対象となる業者青年がいない民商もあります。全青協が呼びかけている業者青年実態調査を会外の業者青年にも呼びかけて成功させ、実態を把握します。要求が強い経営対策への対応を援助します。業者青年の対象者をリストアップし、要求運動と結びつけて、部員拡大、会員拡大を進めます。

    「40・50代は休日、家族と過ごすことを大事にしている」と指摘され、家族で一緒に参加できる企画を実施したところ、人が集まったという経験が紹介されています。共済会や婦人部、青年部の協力も得て家族で参加できる企画を準備し、つながりを広げます。

     

    8,おわりに

     

    今、世界はロシアのウクライナ侵略を機に「軍事対軍事」の流れと外交と話し合いで解決する動きがせめぎあっています。また、気候危機の打開やジェンダー平等で活動する若者の動きが広がっている一方、こうした動きを封じ込める統一教会などの動きや原発の新たな建設や再稼働に道を開く動きも生まれています。

    改憲や増税を主張する勢力が勢いを増す一方で、保守的な業者団体とも要求が一致する情勢が生み出されています。

    ここが民商の踏ん張りどころです。40・50代と業者青年の要求を掘り起こし、実現のための運動を通して、組織の前進に挑戦しましょう。

     

    選出された神商連三役

     

    【神商連】

     

    会 長
    富塚 昇

    副会長
    下谷清人
    下地勝己
    岩森壮介
    漆原 晃
    鈴木 普

    会 計
    山岸 勇

    事務局長
    三浦謙一

    会計監査
    若林重利
    神矢次男

  • 神商連共済会第50回定期総会方針
    神奈川県商工団体連合会共済会

    1,はじめに

     

    民商共済会はこの1年、コロナ禍と物価高騰に苦しむ会員に心を寄せ、いのちと健康を守る運動に奮闘してきました。この間、新型コロナの感染の波が何度となく全国を襲いました。仕事を休めばたちまち収入が途絶えるのが中小業者です。そうした仲間に対し、民商共済会は、新型コロナ入院見舞金と安静加療見舞金を、激励を込めて届け、一緒に困難を乗り越えようと呼びかけてきました。

    新型コロナの感染拡大は、一旦落ち着いているように見えますが、次にいつ拡大の波が押し寄せるか予断を許さない状況です。こうした状況にも関らず、日本政府は、75歳以上の医療費窓口負担の2割への引き上げや新型コロナの5類への引き下げを行い、さらに、少子化対策として消費税増税を持ち出そうとしています。

    コロナ禍では、医療体制の脆弱さから、助かる命を救えないという状況が生まれました。神奈川県は、全国的に財政力のある自治体にも関らず、病床や医師、看護師などの数が全国最下位クラスにあります。中小業者・国民に冷たい県政・国政の転換を求める運動が求められています。

    医療・社会保障の改悪が進められる中、いのちと健康を守る共済会は、民商と一緒に、コロナ対策という限定的な制度ではあっても、高すぎて払いきれない国保料の減免や休業手当制度の創設を勝ち取ってきました。この成果の背景には、長年、民商・県連が粘り強く取り組んできた自治体交渉での実態告発運動があります。

    健康でこそ商売繁盛です。中小業者・県民に犠牲を強いる政治を変え、コロナ禍で弱まった仲間同士の温かい交流を再度構築していくことが必要です。

    本総会は、こうした助け合いの共済運動を、民商と一体に推進する共済会の運動方針と、その先頭に立つ役員を選出することを目的に開催します。

     

    2,いのちと健康を守る学習交流会、レクリエーションを旺盛に

     

    学習こそ共済運動の源泉です。物事の本質を深くつかんでこそ、問題打開の方向が見えてきます。一人では解決できないことも、みんなで知恵を出し合うことで展望が開けてきます。健診の結果報告会をはじめ、いのちと健康をめぐるテーマを中心に、大小さまざまな学習交流会を開催します。

    湘南海岸での地引網曳きなど、かつては神奈川らしい共済のイベントが全国に知られていました。毎年、平均500人規模で開催されていたレクリエーションも、新型コロナの感染拡大から100人を切るような状況になっています。この間、バス旅行などを取り組んだ組織では、参加者から、「久しぶりにみんなと話ができて楽しかった」との感想が上がっています。楽しい時間や価値ある経験を共有することで、人間同士、民商の仲間同士の心の通った交流が育まれます。

    仲間同士交流したいという会員の要求に応え、新型コロナ感染に留意しつつ、旅行や食事会、スポーツなどのレクリエーション活動を思い切って推進します。

     

    3,民商らしい集団健診活動の推進を

     

    以前は毎年1500人規模の仲間が民商共済会の集団健診を受診していました。しかし、新型コロナの流行が重なったこともあり、この数年、受診者数が大きく減少しています。

    事業が成功かどうか、元気に商売を続けられるかどうか、これらはすべて自己責任という風潮が強まっています。そうした中、民商共済会のいのちと健康を守る運動は、中小業者の切実な要求に応える活動であり、また、新自由主義に対する対抗軸となっています。仲間同士が声掛け合って健康診断を受診するという民商らしい共済会の運動がかつてなく待たれています。

    全会員のいのちと健康を守る活動として、すべての民商共済会が集団健診を実施し、全会員が年に一度は必ず健康診断を受診するよう働きかけます。婦人部と相談し、乳がんなどの婦人科検診を大いに取り組みます。

    特定の疾患の治療を行っていても、健康状態を全般的に把握する健診の受診は必要です。通院加療中の仲間にも健診の受診を促すようにします。

     

    4,会員加入率90%をめざし、全組織が80%達成を

     

    民商の共済運動は会員同士の助け合いの活動であることから、助けられる仲間と助けられない仲間を生まないようにしなければなりません。そのためにも全会員加入を目指し、会員加入率90%を達成します。

    神奈川県連共済会は会員加入率が86・3%に達していますが、会員加入率が80%に達していない民商共済会も残されています。様々な困難から活動が十分に取り組めていない組織への援助を強め、すべての民商共済会が会員加入率80%を達成できるようにします。

     

    5,同時加入の徹底と独自の「共済デー」実施を

     

    民商会員1人の退会にともない、その配偶者や家族、従業員も一緒に共済会を退会することから、共済加入者の減が大きくなるという傾向があります。助け合い運動の原資は、加入者が支払う共済会費です。これまで多くの加入者が共済会費を納めてくれていたことから、阪神淡路大震災や東日本大震災、そして、新型コロナウイルスの大流行の際に、助け合いの特別見舞金を仲間に拠出することができました。しかし、会勢が少なくなれば、こうした民商らしい助け合い運動が困難になります。

    新しい民商の仲間を迎える時には、共済役員が必ず助け合い運動への参加を訴え、同時加入を徹底します。その際、配偶者の方にも一緒に加入してもらうようにします。また、共済会として独自の拡大行動日「共済デー」を定期的に設け、毎月増勢を追求するようにします。

     

    6,新たな共済活動の担い手作りにチャレンジを

     

    新たな共済運動の担い手作りが大きな課題となっています。「2022年度いのちと健康を守る活動 班の共済係・支部共済役員の確立状況」では、全県で共済係がいる班が123班(全463班)、共済役員のいる支部が58支部(全99支部)となっています。困難な経済状況の中、共済会の役を引き受けてくれているこれらの方々に依拠し、さらに運動を広げていくという視点が重要です。班の共済係と支部共済役員と一緒に、助け合い共済や民商運動についての学習を深め合います。また、未確立の班・支部をなくすことを目標に、共済運動に協力してくれそうな会員をリストアップし、こうした学習会や共済会の取り組みへの声掛けを強めるようにします。

     

    選出された共済会新三役

     

    【共済会】

     

    理 事 長
    漆原 晃

    副理事長
    松田國男
    長沢隆輔
    加藤貞一

    会 計
    高橋克彦

    専務理事
    吉田 剛

    会計監査
    山岸 勇
    本吉良吉

7つのまちがいさがし

民商紹介ムービー

県下民商のホームページ